特集

第30回優秀板金製品技能フェア 優秀製品紹介(その2)

「素人発想・玄人実行」を理念に人材育成

念願かなう ― 「造形品の部」金賞を初受賞

株式会社 ナダヨシ

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画像:「素人発想・玄人実行」を理念に人材育成「造形品の部」で金賞を受賞した「ステンレス薔薇花束」(SUS304・板厚0.8㎜、W650×D450×H450㎜)

「作品づくりが技術力強化につながる」

画像:「素人発想・玄人実行」を理念に人材育成植木次義相談役(左から2人目)、植木剛彦社長(左)、ラッピングの曲げを担当した吉田雄一さん(右から2人目)、リボンを担当した七田賢哉さん(右)

2016年10月、㈱ナダヨシの創業者でもあり実父の植木次義相談役が70歳を迎えたのを機に2代目社長に就任した植木剛彦社長は、専務時代から植木相談役とともに二人三脚で会社の看板を背負ってきた。

植木社長は1995年に福岡大学を卒業後、福岡県内に本社があるフィッシング・マリン用品メーカーに入社。サラリーマン生活を10年経験した後、2005年にナダヨシに入社した。2009年には専務に就任、設計・プログラムを中心に担当し、父親である社長とともに社業発展に取り組んできた。

社長就任後は「あらゆる分野に対応できる体制にしたい」と、要求精度の厳しい業種・企業の新規開拓を目指し、積極的な営業活動を行ってきた。

同社は「同業他社の存在が刺激になる」という理由などから、2006年から12年連続で、職業訓練法人アマダスクールが主催する優秀板金製品技能フェア(以下、板金技能フェア)に参加。社員の技術・技能の研鑽とその成果を業界に知らしめ、認知してもらう努力を積み重ねている。

第22回(2009年度)の「溶接を主体とする組立品の部」に出品した「宝箱(樹脂成形金型1/2サンプル)」が、金賞と中央職業能力開発協会会長賞をダブル受賞した。それ以降も第25回(2012年度)では「高度溶接品の部」に出品した「幼稚園用手洗いシンク(1/3ミニチュア)」が金賞を受賞。第27回(2014年度)では「単体品の部」に出品した「240面体」が厚生労働大臣賞、「組立品の部」に出品した「パスBOX(受け渡しBOX)」が銀賞、「高度溶接品の部」に出品した「選手用水風呂(1/4モデル)」が銅賞、さらに10回以上出展した企業に贈られる特別奨励賞も同時受賞した。

今回(第30回)は「造形品の部」に出品した「ステンレス薔薇花束」が金賞、「高度溶接品の部」に出品した「ステンレスおせち容器」が銀賞を受賞した。植木相談役が取り組んできた「作品づくりが技術力強化につながる」という考えをしっかり継承し、植木社長も新規得意先の開拓に板金技能フェアの成果を強くアピール、各種の受賞製品は営業面でも大きく貢献してくれている。

  • 画像:「素人発想・玄人実行」を理念に人材育成花びらを曲げる際の干渉問題には、花びらの切り込みを変える、曲げ治具の大きさを変えてつくりなおすなどして対応した
  • 画像:「素人発想・玄人実行」を理念に人材育成花束をラッピングした後のリボンも曲げ加工で作成した

2017年秋の褒章で相談役が叙勲の栄誉

植木社長は「昨年は植木相談役が平成29年秋の褒章で経済産業省推薦で旭日単光章をいただき、昨年の11月10日には伝達式、また、皇居で天皇陛下への拝謁の栄誉を賜るなど、祝いごとが重なりました。2017年度の締めくりとして板金技能フェアで金賞・銀賞をダブル受賞することができました。特に念願だった『造形品の部』で金賞を初めて受賞することができ、相談役が取り組んできた『技術の成果を業界に知らしめ、認知してもらう努力』がようやく報われたという感慨を持っています」と、先代の地道な努力が実った喜びを率直に語っている。

画像:「素人発想・玄人実行」を理念に人材育成左:受章祝賀会が開かれた際の植木相談役ご夫妻/右:受章祝賀会のためにつくられた20本のステンレス薔薇花束

会社情報

会社名
株式会社 ナダヨシ
代表取締役
植木 剛彦
住所
福岡県古賀市青柳194
電話
092-944-4755
設立
1981年
従業員数
20名
主要製品
特殊自動車部品、建築金物厨房機器、調理装置、医療機器部品、装飾品金物など
URL
http://www.nadayoshi.co.jp/

つづきは本誌2018年6月号でご購読下さい。

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