グローバル化が進むタイの板金業界
タイ最大手の耐火金庫メーカーは日本向けが60%
曲げのアセンブリー生産、高精度化に取り組む
LEECO KOGYO Co.,Ltd.
タイ最大手の鉄鋼製耐火金庫メーカー
LEECO KOGYO Co.,Ltd.は、1983年にSomboon Leerungruang社長の父親によって創業された、タイ最大手の鉄鋼製耐火金庫のメーカーだ。
1985年、日本の耐火金庫の総合メーカー、㈱エイコーと技術提携し、合弁工場を設立。世界へ向けた量産体制を構築する一方、エイコーの技術指導により、同社でも高度で革新的な製品開発と製造に対応できる設備力・技術力を備え、LEECOブランドの耐火金庫に始まり、セキュリティーボックスなどの分野にまで事業を拡大していった。
現在、生産量の60%を日本向けに輸出しており、日本市場においては「エイコー」ブランドで販売されている。また、最近はオフィス金庫の需要が増えていることから、日本の大手メーカーへのOEM供給が増えている。かたやタイ国内には全体の20%を供給し、残り20%は東南アジアや中近東、北米市場へ輸出される。タイ、東南アジア向けは「LEECO」ブランドで販売、中近東・北米はOEM供給している。
タイ国内では来年からマイナンバー制度が導入されることもあって、個人情報を守ろうとする富裕層を中心に、大型金庫を導入する傾向が顕著になっているという。
年間で200機種、10万台を生産
Somboon社長は自社の耐火金庫製作の経緯とビジネストレンドについて、次のように語っている。
「当社はオフィス向けの大型金庫と一般家庭向けのホーム金庫を製造しています。31年前に日本のエイコーと技術提携して合弁工場で製造を始めた頃は、すべてエイコーの図面で製造していました。しかし今では年間200機種以上の耐火金庫、セキュリティーボックスを10万台以上生産するようになり、一部の機種は当社でも設計しています」。
「当社の2015年の年間売上高は約6億バーツ(18億円)です。金庫に対する需要は、景気に影響を受けることがあまりありません。景気が悪くなると金利が低下し、預金金利も下がるので、お金のある富裕層は、現金を銀行に預けるよりも、自宅で保管したり、貴金属の購入に充てます。その結果、自宅で現金や貴金属を保管する必要が出てくるので、金庫に対する需要が増える傾向です。先日も、タイの中央銀行が預金金利の引き下げを発表した翌日から大型金庫への需要が増えました」。
会社情報
- 会社名
- LEECO KOGYO Co.,Ltd.
- 代表者
- Somboon Leerungruang
- 住所
- 2 moo 5 Soi Watdan Sukhumvit RD. Samrong nua Samutprakarn 10270 Thailand
- 設立
- 1993年
- 電話
- +66(2)384-0027
- 従業員数
- 600名
- 主要事業
- 耐火金庫とスチール家具の製造
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