TKが両サイドに製品搬出 ― 加工を止めないENSIS-AJを導入
小型建機の受注が好調、今期と来期は1.2倍の増産の見通し
ダイソウ工業 株式会社
ファイバーレーザマシンENSIS-3015AJ（6kW）+AS-3015TFF+TK-3015L
金属部品製造・加工の中堅企業
前列左から杉本正人常務、川口宗一社長、後列左から溝上祐雄生産技術課長、清水勝也生産技術部長
ダイソウ工業㈱は、鋲螺（びょうら）の製造販売からスタートし、三重県の主力産業である二輪車・四輪車部品のプレス・溶接の一貫加工へと業種転換。そこから建築用金物分野・建設機械分野・医療用・介護用ベッドの部品加工へと広げ、複数の事業領域でビジネスを行うことで、外部要因に左右されない安定した経営体質を築いてきた。
同社は1955年に三重県安芸郡芸濃町で川口商店として創業。1972年に鈴鹿郡関町木崎に工場を移転し、社名を川口製作所に変更した。1974年に有限会社として法人化し、1985年に営業・業務をダイソウ工業㈱として引き継いだ。1991年に輸出入関連会社としてS.Kコーポレーション㈱を設立。1996年に津市芸濃町北神山工業団地に本社機能を移転、1999年にはダイソウトレーディング㈱、2004年にはタイに現地法人ヤナパン・ダイソウ・タイランド㈱を設立した。2008年に新たにプレス工場を完成させ、2012年に中国南通市に南通大松商貿有限公司を設立、2016年には塗装工場を完成した。
2017年には川口宗一氏が3代目社長に就任し、2018年には経済産業省から「地域未来牽引企業」に選定された。2020年にはM&Aで㈱東海精機（菰野町）の全株式を取得し、グループ企業とした。現在では従業員200名、グループ全体で430名という中堅企業となっている。
小型油圧ショベルが売上の60%弱を占める
現在は8トン未満のミニショベルの座席シート、ペダル、操作レバーなどが取り付けられる運転席の中核部品のフロアシートサポート、敷均しの作業などに使われる排土板であるドーザブレード、作動油タンクなどの製造を行っており、売上全体の50～60%あまりを占めている。
このほかには病院や介護施設向けに提供している医療用・介護用ベッドのフレームを製造しており、売上構成比は10%強となっている。
以前は60%以上を占めていた自動車部品関連は30%程度にまで減っているが、自動車の骨格となるルーフ部分の長さが1,000㎜を超えるものから複雑な形状のものまで、主力としている順送プレスラインとタンデムプレスライン、ロボットプレスラインで製造している。
現在はTKのパスラインに合わせた台車を置いて、TKがジョブ単位に切り終わった製品を仕分け、同じ製品を整列積載する。この後、作業者がバッファーエリアへ運ぶ
ENSIS-3015AJのNC装置AMNC 3iの画面上でも板取り編集ができる
昨年10月以降は建設機械が好調 ― 来年にかけて1.2倍の増産に
川口社長は「コロナ禍の影響で、2020年8月頃には前年比で半減しましたが、10月以降は小型建機がV字回復、現在は以前と同等に戻っています。建設機械関連は来年にかけて1.2倍程度の増産になるという話を聞いています。しかし、最近の半導体をはじめとした部品不足や、材料価格高騰の影響もあって、計画は一次的に下まわっているようです。1社で売上の50%以上を占めることを回避するため、現在の建設機械メーカーからの受注量を落とさずに、それ以外の企業・業種を開拓する必要があります。これまで培ってきた技術力を多方面に展開できないか、マーケティング活動を進めています」。
「当社は三重県内に工場を置き、得意先にちかいロケーションでビジネスを行うことによって、常にスピーディーな対応を旨とし、お客さまと密な関係性を築いてきました。また、グループ内で領域をまたいだ技術の横展開を可能にしてきました。自動車関連の技術が建設機械の部品製造に生かされた例もあります。今後は当社が活躍できるフィールドをますます広げていきたい。そのためにはわれわれの提案を受け入れていただける業種・業界・企業を開拓したいと考えています」と語る。
ENSIS-AJで加工したブランク材
プレス工場に導入されているプレスロボットラインTP-200EX
会社情報
- 会社名
- ダイソウ工業 株式会社
- 代表取締役
- 川口 宗一
- 所在地
- 三重県津市芸濃町北神山1470-3
- 電話
- 059-265-5700
- 設立
- 1974年（1955年創業）
- 従業員数
- 200名（グループ全体430名）
- 主要製品
- 建設機械部品の製造・塗装、自動車用プレス部品の製造、医療・介護用ベッド部品の製造
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