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ハイサーブウエノ、「モノを売り込まない」ビジネスモデルで外食産業の発展に貢献

ウイズコロナ、アフターコロナを見据えた厨房板金を模索

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前年比84.9%に落ち込んだ外食産業

業務用厨房製品の需要対象である外食産業を取り巻く環境はこれまで人手不足や、人件費の上昇、原材料価格高騰による出店コストの上昇などのきびしさはあったものの、市場そのものはインバウンド効果や1億総活躍プランなどによって成長してきた。しかし、新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の拡大によって市場は大きな影響を受けており、先行きを見通すことが難しい状況となっている。

日本フードサービス協会が発表した外食産業市場動向調査によると、2020年の全体売上は前年比84.9%と、1994年の調査開始以来、最大の下げ幅となった。政府から「緊急事態宣言」が発令された4月には前年同月比で60.4%と、単月としては最大の下げとなり、その後は徐々に回復傾向を見せたものの8月をピークとする「第2波」、11月以降の「第3波」の影響を受け、1年をとおして大幅に落ち込んだ。

それに加え、2018年6月に大幅に改正された「食品衛生法」に基づき、すべての食品製造業者がHACCPに沿った衛生管理の義務化、合成樹脂に対するポジティブリスト制度の導入、調理のシステム化・高度化・自動化・マニュアル化、厨房環境の改善などへの対応を迫られている。

業務用厨房業界は外食産業の伸びにほぼ比例して順調に売上を伸ばしてきたが、2020年は外食産業の大幅な落ち込みで大きく影響を受けたものと思われる。

画像:ハイサーブウエノ、「モノを売り込まない」ビジネスモデルで外食産業の発展に貢献同社が製造した「飛沫防止ガード」が設置された飲食チェーン

「繁盛店」をつくることを目標に事業に取り組む

画像:ハイサーブウエノ、「モノを売り込まない」ビジネスモデルで外食産業の発展に貢献左:グリストラップ付きシンク」。グリストラップ機構を内蔵させることで省スペース化、小型店舗の厨房にも設置しやすい/右:個室型の「オンライン会議専用ブース」。遮音性やライティングなどにもこだわっている

こうした中で業務用厨房板金製造企業である㈱ハイサーブウエノ(社長:小越元晴氏、新潟県三条市)の取り組みが際立っている。

同社は①自社ブランド商品を売り込まない、②世界一の安全品質、③食に関わる製品を一貫生産――という方針を掲げている。「繁盛店」をつくることを目標に事業に取り組むことによって、サイゼリヤ、丸亀製麺、吉野家、鳥貴族、ワタミなどの大手飲食チェーンの店舗内厨房に各種厨房機器メーカーが製造販売する標準の厨房機器を導入しながら、「繁盛店」にするための仕組みを考え、コーディネートしながら設計、製造するビジネスを展開してきた。

コロナ禍で大手飲食チェーンの売上が減少する中、外食産業が求める「繁盛店」を目指し、変化するニーズをいち早くとらえるスピード、ニーズに即応して厨房の配列や構成を考え提案する設計力・エンジニアリング力、さらにそれを短期間で製品化する製造力を強化することで、業界が大きく落ち込む中、前期比横ばいから微増という実績を残した。

つづきは本誌2021年7月号でご購読下さい。

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