Sheet now

「繁盛店 ― 利益の上がる店」を厨房板金でつくる

新型コロナウイルス感染拡大で飲食業界に厨房革命が起きる

株式会社 ハイサーブウエノ

LINEで送る
Pocket

画像:「繁盛店 ― 利益の上がる店」を厨房板金でつくる①パンチ・レーザ複合マシンACIES- 2512T+AS-2512NTK+ULS-2512NTKによるステンレス材の加工/②ハイサーブウエノが製造した「飛沫防止ガード」が設置された飲食チェーン

「非接触型店舗」の仕組みを検討

画像:「繁盛店 ― 利益の上がる店」を厨房板金でつくる小越元晴社長

㈱ハイサーブウエノは昨年末、大手飲食チェーンのワタミ㈱、肉牛の生産などを行う㈱カミチクホールディングスらと合弁会社ワタミカミチク㈱を設立。各社の強みを生かし、さまざまなノウハウの融合をはかった焼肉業態を開発し、国内外で直営店・フランチャイズ店の展開を行うと発表した。

今年5月には、その1号店「上村牧場 京急蒲田第一京浜側道店」が東京・蒲田にオープンした。新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の感染が拡大する中、回転寿司で使われる特急レーンを使用することで食材を無人で配膳、省人化と感染防止対策を両立させた「非接触型店舗」となっている。また、和牛の消費拡大を目指し、生産者との協業により和牛肉をリーズナブルに仕入れ、手頃な価格で提供する。

6月23日には「上村牧場 大阪守口南寺方店」が2号店としてオープンし、年内には台湾・ベトナムといった海外でもオープンが予定されている。向こう5年で国内200店舗、海外(10カ国)100店舗、向こう10年で国内400店舗、海外(20カ国)300店舗の出店を目指している。

  • 画像:「繁盛店 ― 利益の上がる店」を厨房板金でつくるACIESで加工するネスティングデータを作成
  • 画像:「繁盛店 ― 利益の上がる店」を厨房板金でつくるベンディングロボットシステムASTRO-100NT+HDS-1030NTR+ASTROMP-20

「世界で戦える飲食店づくり」に協力

ハイサーブウエノは、これらの店舗で、厨房や提供装置の製作・設置などを一手に引き受けた。

小越元晴社長は、合弁会社設立と開業した焼肉店の店舗構想、厨房設計の考え方について、次のように語っている。

「ワタミの創業者・渡邉美樹さんとは以前から面識がありました。渡邉さんの参議院議員任期があと1年と迫った頃に『再度、飲食店の経営に取り組みたい。これからの飲食店は、厨房の仕組みづくりが大事になる。世界で戦える飲食店を一緒につくってほしい』と熱いメッセージをいただきました」。

「そして昨年、ワタミ、カミチクグループで取り組む新たな焼肉店の開業に一役買ってほしいと依頼を受けました。『イニシャルコストも大事だが、それよりも大切なのは料理の質、お客さま満足度、そこで働く社員の満足度。新会社の株主になってもらい、経営の視点で新しい店舗レイアウトや厨房設計を考えてほしい』というお話でした」。

「当社は自社ブランドを持たないことを“強み”として、モノを売り込むのではなく、飲食業界のお客さまに寄り添って厨房づくりをお手伝いするビジネスモデルを追求しながら、“繁盛店”をつくりたいと考えてきました。これまで店舗・厨房設計の最適化に取り組んできたことで、外食店舗の生産性を向上させるノウハウを持っていると自負しています。そこで、株主として、設計・提案をさせていただきました」。

「新型コロナに対応するためには、徹底してお客さまとの接触機会をなくす『非接触型店舗』を目指す必要があると考えました。そこで、お客さまがタブレット端末で注文し、特急レーンを使って厨房からお客さまのテーブルまで飲み物や料理、食材を無人で配膳する仕組みを検討しました。また、野菜などを置く場所には飛沫防止ガードを設置しました」。

「肉は、店舗ではいっさいカットせず、すべてカミチク様で加工してから納品してもらいます。厨房は、できるだけ人が動かずにすむように動線を短くし、作業効率を徹底的に追求しています。また、厨房の面積をコンパクトにすることで客席数を増やし、注文から配膳までのフローを無人化したことで、フロアの収益効率も改善しています」。

「大切にしたのは“QSC+ES” ― 品質(Quality)、サービス・おもてなし(Service)、清潔さ(Cleanliness)、そして従業員満足度(Employee’s Satisfaction)です」。

  • 画像:「繁盛店 ― 利益の上がる店」を厨房板金でつくる厨房機器の組立工
  • 画像:「繁盛店 ― 利益の上がる店」を厨房板金でつくる飛沫防止ガードを支えるステンレス製のスタンド

会社情報

会社名
株式会社 ハイサーブウエノ
代表取締役社長
小越 元晴
所在地
新潟県三条市福島新田丙2406 栄中央工業団地
電話
0256-45-5678
設立
1969年
従業員数
85名
主要事業
厨房機器の設計・製作、厨房機器販売、施工・メンテナンス、各種ステンレス加工
URL
http://www.hi-serv.com/

つづきは本誌2020年9月号でご購読下さい。

LINEで送る
Pocket

関連記事

Sheet now記事一覧はこちらから