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これからも「元気な板金業界」を伝えていきます

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新型コロナウイルス感染症が世界中に拡大、感染者数は本稿執筆時点(4月16日時点)で累計200万人を超えました。最初に感染が始まった中国では事態が収束に向かいつつあり、欧州でも一部の国はピークを越えたかにいわれていますが、世界全体で感染が収束するまでには1年以上かかることを覚悟する必要がありそうです。

日本では、東京をはじめとした都市部での感染拡大が急速に進んでいるため、4月7日に「緊急事態宣言」が発出され、自治体の長が法律に基づいて、不要不急の外出自粛要請をはじめとしたさまざまな対策を講じられるようになりました。

それにともなって、民間企業でもテレワークによる在宅勤務が増えています。生産現場ではシフト制を採り、出社する社員を制限することで、感染対策をしつつ一定程度の生産を継続する企業が増えています。しかし、発注元メーカーが一時帰休などを実施して一定期間工場を閉鎖、生産を停止するケースも増えていることから、協力企業は仕上げた製品を受け入れてもらえず、やむなく人員調整しながら、生産を縮小するケースも出ています。

私たちの取材活動はテレワークではできないうえ、直接お客さまを訪問して取材することが難しくなっています。電話やメールで話をうかがうこともあれば、感染者数が少なく移動しても支障のない地域のお客さまには、許可・許諾をいただいて取材させていただく場合もあります。その場合には感染予防対策を万全に行います。

社内では、移動時はマスクを着用し、お客さまの敷地に入る前にはアルコール除菌シートで手をぬぐうことなどを徹底し、私たちが感染元になることだけはないように注意しています。

いずれにしても、発行日の2カ月ほど前から取材・編集作業を行う必要があるなかで、苦渋の対応を迫られています。

お目にかかったお客さまからは「業界の動向や、これからのトレンドを知るために必要な業界メディアなので、継続して情報を発信し、どんな状況でも『元気な板金業界』をPRしてほしい」といった要望をお聞きします。「マスクを着用していること以外は平時と変わらず操業しています。一部では残業も行っています」と元気に応えてくださるお客さまもいらっしゃいます。

元気なお客さまからの激励の言葉もあって、日々がんばっている業界の方々のために、できる限り従来どおりの発行を継続したいと考えています。

今回の「コロナショック」で世界経済は大きなダメージを受けており、2020年の世界経済はマイナス成長に陥る見込みです。年初は底堅い需要があり、前年比プラス成長を見込んでいた板金業界も、今後は相当な減速を覚悟しなければならない状況です。

1-3月期は前期比プラスだったお客さまも、4-6月期は20%程度のマイナスを避けられず、感染の収束時期にもよりますが、7-9月期も引き続きマイナスで推移すると想定されます。ただ、下期に入れば、収束が見え始めることが前提ですが、緊急経済対策の効果もあって経済が活発化、急速なV字回復が期待されると思います。しかし、これはあくまで一般論で、これ以上の落ち込みとなる企業もあれば前年比でプラスとなる企業もあり、企業間格差が拡大すると思われます。

いずれにしても、この危機を一過性のものと考え、ただ通り過ぎるのを待つのではなく、企業体質改善のチャンスと捉え、危機管理能力を高め、変化に柔軟に対応できる企業へと進化することが肝要と考えます。事態が一日も早く収束して、再び業界が元気を取り戻すことを願っています。

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