板金論壇

感染対策から見えてくる「日本人の本質」

『Sheetmetal ましん&そふと』編集主幹 石川 紀夫

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「緊急事態宣言」発出で状況が変わる

新型コロナウイルスの感染拡大にともない、日本でも特別措置法に基づいて7都府県に対し「緊急事態宣言」が発出されました。本稿執筆時点では、対象地域で不要不急の外出自粛が要請され、人が集まる商業施設や映画館、飲食店などが臨時休業したり自主的に営業停止したりする事態となっています。病院・郵便局・銀行・スーパーマーケット・公共交通機関・道路などは平時と同様で、欧米で行われているような「都市封鎖」とは異なり、かなりゆるめの“要請”となっています。民間企業はテレワークや一時帰休を積極的に実施し、生産調整のために工場を閉鎖する動きも目立ちます。

政府は「緊急事態宣言」の発出と同時に事業規模108兆円におよぶ緊急経済対策を取りまとめました。国民に対して現金給付を行うほか、特に大きな影響を受けている中小企業には上限200万円、個人事業者等には上限100万円を給付する持続化給付金などの施策が盛り込まれています。108兆円という事業規模はGDPの20%に相当し、リーマンショック後の経済対策をはるかに上まわり、それほどまでに感染拡大が国民生活に重大な影響をおよぼしている証しといえます。

評価と批判が入り交じる日本の感染対策

日本の感染対策が「遅い」「手ぬるい」といった批判があります。一方で「ウイルスチェックの検体数を限定することで医療崩壊をさせない賢明な措置を執った」といった評価もあります。また、他国のような感染爆発が起きていない理由として「ハグや握手などの習慣が日本にはないため」「日本人はもともとマスクの着用や手洗いの習慣など、衛生観念が高いため」など、生活習慣のちがいを指摘する声もあります。

つづきは本誌2020年5月号でご購読下さい。

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