ENSIS-AJ 導入事例

鉄と建材のショッピングモールを目指し、1次加工能力を強化

ENSIS-3015AJを各拠点に設備 ― 「多品種・小ロット・即納」の供給体制を構築

小野建 株式会社

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画像:鉄と建材のショッピングモールを目指し、1次加工能力を強化堺スチールセンターに導入されたENSIS-3015AJ(3kW)+AS-3015G×2台(左右)とベンディングマシンHD-1703LNT(中央奥)

全国に35拠点を持つ鉄鋼・建材の流通商社

画像:鉄と建材のショッピングモールを目指し、1次加工能力を強化インタビューに対応する大阪支店鉄鋼部の工藤晃稔部長

小野建㈱は、創業以来70年にわたって「鉄」という素材を取り扱ってきた鉄鋼・建材の流通商社。鉄鋼商品・建機商品・建設工事を手がけ、建設業・機械製造業・造船業など、さまざまな分野の産業に鉄を提供している。

2005年には東証一部に上場し、2019年3月期決算で、連結売上高は前年同期比14.3%増の2,321億6,400万円、営業利益は66億3,200万円の優良企業。国内需要先は6,000社、仕入先は2,500社。売上の約50%を九州エリア、残りの約50%を西日本・東日本でまかなっている。

グループ全体で西日本エリアに28拠点、東日本エリアに7拠点、合計35拠点で事業を推進。創業の地、九州で培った「鋼材は1本から」のきめ細かなデリバリー体制を整え、東日本へと事業拡大を目指している。

大型のストックヤード(大型物流センター)を全国各地に保有することで、大口・小口を問わず需要に柔軟に対応する「スーパーマーケット型」の事業展開を確立。「多品種・小ロット・即納」の供給体制で需要家からの信頼を高めている。

画像:鉄と建材のショッピングモールを目指し、1次加工能力を強化左:約7万㎡の敷地面積を持つ堺スチールセンター/右:堺スチールセンターには鋼板・条鋼・丸鋼など、さまざまな材料を常時4万トン在庫している

小野建が持つ5つの機能 ― 在庫・物流・加工・金融・コンサルティング

小野剛副社長は、同社の事業の特徴について、次のように語っている。

「当社は独立系の商社なので、国内外を問わず柔軟な仕入れが可能です。鉄鋼商品・建機商品・建設工事を手がけるとともに、当社には5つ(①在庫、②物流、③加工、④金融、⑤コンサルティング)の機能があります」。

『①在庫』は、全国各地に大型のストックヤードを保有しています。関西エリアには、西日本エリアの基幹倉庫である堺スチールセンターがあり、鋼板・条鋼・丸鋼など、さまざまな材料を常時4万トン在庫しており、『小野建に行けば何でもそろう』という『ショッピングモール』型の物流拠点となっています。また、1万トン級の船が接岸できるプライベート・バースを備えており、国内外から厚板・コイル・条鋼類を荷揚げしています」

「四国・関西・中京・北陸エリアでは、現状12の拠点があり、各拠点の機能を倉庫面積によって次のように分けています。鉄のすべての商品が入手できる『ショッピングモール』型、8割程度の鋼種・板厚をカバーできる『スーパーマーケット』型、売れ筋商品に限定した『コンビニ』型です。『ショッピングモール』型の基幹倉庫である堺スチールセンターから、各地の『スーパーマーケット』型、『コンビニ』型の拠点に定期便を出し、お客さまの商品ニーズに応えています」。

「『②物流』は、自社便でデリバリーをしており、切板1枚、条鋼1本から即納できる体制を整えています。お客さまから今日いただいた注文を今日届ける即納体制の構築を目指しています」。

「『③加工』は、各拠点で積極的に加工機の導入を進め、1次加工機能の強化を積極的に進めています。昨今、人手不足が問題となっている中で、お客さまから切断・穴あけ・曲げ加工などの1次加工まで対応してもらいたいという要望が増えていることから、当社が最も得意としている条鋼類の加工に加え、当社の各拠点にファイバーレーザマシンやベンディングマシンを導入して1次加工能力の向上をはかっています。堺スチールセンターの敷地内には、コイルセンターである当社グループ会社の三協則武鋼業㈱があり、それによって当社はコイルカットでいつでも鋼板を手当てでき、レーザ加工をするうえでコスト競争力が非常に高い仕組みとなっております」。

『④金融』については、当社は東証一部に上場しており、健全な財務体質によって金融機能を備えています。スーパーマーケットでは商品を1つ買えばレジで現金払いをするのが一般的ですが、当社では与信機能を備え、手形決済も可能です」。

「『⑤コンサルティング』は、お客さまの材料調達に対して最適なご提案をさせていただいています。レーザ切断品の優位性を伝え、プレス加工品やプラズマ切断品からレーザ切断品への変更や、お客さまの物量では機械をフル稼働できないので、1次加工設備をお客さまが独自に導入するより、当社に仕事を出した方が資金効率や工場の空間生産性を考えるとメリットがある ― といった提案ができるコンサルティング能力を備えています」。

画像:鉄と建材のショッピングモールを目指し、1次加工能力を強化左:2台のファイバーレーザマシンENSIS-AJはそれぞれ右出し(写真)、左出しとなっている/右:ベンディングマシンHD-1703LNTを導入し、曲げ加工にも対応する

会社情報

会社名
小野建 株式会社
代表取締役社長
小野 建
本社
福岡県北九州市小倉北区西港町12-1
堺スチールセンター
大阪府堺市西区築新町1-5-7
電話
072-241-3461(堺スチールセンター)
設立
1949年
従業員数
718名(連結)
売上高
2,321億6,400万円(連結)
事業内容
鋼材の販売・加工・輸出入業、金物・土木建築材料の販売、土木建築工事請負業、不動産の売買、賃貸業
URL
http://www.onoken.co.jp/

つづきは本誌2020年1月号でご購読下さい。

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