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冷間鍛造+順送ラインが得意分野に

技術開発に注力 ― 難加工形状の加工をサーボプレスの順送ラインで実現

協栄産業 株式会社

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画像:冷間鍛造+順送ラインが得意分野にSDE-3030(300トン)とSDE-2025(200トン)×3台のサーボプレス順送ラインが並ぶ

自動車用プレス部品とシートレバーの2本柱

画像:冷間鍛造+順送ラインが得意分野に代表取締役の大島良和氏

協栄産業㈱は1961年にプレス加工業として創業して以来、ボルト・ナットをはじめとする自動車用ファスナーなどのプレス加工を手がけてきた。1975年頃からは自動車のシートスライド用レバー(シートの前後位置を調節する際に引き上げるレバー)のパイプ加工・プレス加工・切削・溶接を一貫で手がけるようになり、現在は「自動車用プレス部品」の加工と「自動車シートスライド用レバー」(シートレバー)の一貫生産の2本柱で事業を展開している。

2018年度の売上高は13.1億円。主要得意先は2社で、売上全体の90%を占める。従業員数は70名。そのうち正社員は25名で平均年齢は29歳と若く、それ以外は技能実習生を含む外国人労働者が35名(ブラジル20名、タイ・ベトナム15名)、シルバーを含むパート社員が10名となっている。

大島良和社長は2006年頃から「理念経営」を採り入れ、「長期ビジョン」(10年間)や「中期重点方針」(3年間)、「年度経営指針」(1年間)を全社員で共有。ビジョン・目標の実現へ向け、全社一丸となってさまざまな取り組みを行っている。

2009年頃からはプレス金型の内製化とサーボプレスによる冷間鍛造への対応を推進し、2012年には冷間鍛造を含む難加工形状をSDE-3030(300トン)の順送ラインで実現。現在は冷間鍛造をはじめとした複雑成形に対応する高度な加工技術を特長とし、ファスナー関係以外の自動車部品も手がけている。

これまでプレス部品は「江南工場」(本社工場)、シートレバーは「小牧工場」という2拠点体制を敷いていたが、今年1月に新工場「大口工場」(建築面積940坪、延べ床面積1,100坪)を開設。江南工場と小牧工場で行っていたプレス加工を大口工場に移設・集約し、「大口工場」と「小牧工場」の2拠点体制でさらなる飛躍を目指す。

  • 画像:冷間鍛造+順送ラインが得意分野にサーボプレスはすべてレベラーフィーダーを装備し、順送ラインとして活用している
  • 画像:冷間鍛造+順送ラインが得意分野にSDE-2025で加工した冷間鍛造ファスナー部品。ファスナー部品は全体で月500万個生産する

シートレバーの一貫生産を立ち上げ

「自動車シートスライドレバー」(シートレバー)の生産は、大島良和社長が1975年に入社した直後からスタートした。

大島社長は大学で建築を学び、卒業後は3年間、建設関連企業に勤務した。1975年、業績悪化で困窮する両親の助けになりたいとの思いで、協栄産業に入社。キャッシュフローの正常化と社内管理体制の構築に尽力した。

「父(先代)の挑戦が実を結び、シートレバーの仕事を新たに受注できたことで、業績は回復していきました。シートレバーは丸棒の切断・面取り・曲げ・切削・フライス・プレス・溶接と複数の工程が必要になります。そこでフライス盤を導入して内製化、丸棒を切削するメタルソーの研磨機も導入して、プレスから切削、溶接までの一貫生産体制を立ち上げました」。

その後は、自動車の生産台数の増加にともない、シートレバーの生産量も右肩上がりで増加。同社の第2の柱に成長し、ピーク時は月30万台分(運転席用・助手席用を合わせて月60万個)を生産した。

  • 画像:冷間鍛造+順送ラインが得意分野に画像検査装置。検査員の目視検査と組み合わせ、出荷前に全数検査を行っている
  • 画像:冷間鍛造+順送ラインが得意分野に小牧工場ではパイプベンダーや多関節ロボットを導入し、自動車シートスライド用レバーの一貫生産に対応している

会社情報

会社名
協栄産業 株式会社
代表取締役
大島 良和
住所
愛知県丹羽郡大口町仲沖2-37(大口工場)
電話
0587-81-7780
設立
1961年
従業員数
70名(正社員25名)
事業内容
自動車部品製造(シートスライド用レバー、工業用ファスナーなど)
URL
http://www.kyoei-sg.jp/

つづきは本誌2019年8月号でご購読下さい。

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