特集

生産性改善に取り組む台湾板金業界

「一例一休」で揺れた台湾板金業界

生産性改善に自動化・ロボット化で取り組む

LINEで送る
Pocket

画像:「一例一休」で揺れた台湾板金業界台湾のコンビニエンスストアの無人店舗の自動ゲート。顔認証システムと連動している

好調な台湾の輸出

台湾政府の財政部が発表する貿易統計速報によると、2018年上半期の貿易額は、輸出が前年同期比10.9%増の1,638億2,595万ドル、輸入が前年比10.8%増の1,382億8,172万ドルと、いずれも増加した。6月単月の輸出は前年同月比9.4%増、輸入は15.4%増となった。

財政部は2018年上半期について、世界経済の安定成長、新興技術の応用や原材料価格の上昇、国際ブランドのハイエンド携帯電話の2017年の出荷前倒しが、輸出入に影響をおよぼしたと分析している。

今後の見通しについては、2018年の世界景気および貿易が回復傾向にあることに加えて、AI、IoT、車載用電子機器などの新興産業のビジネスチャンスやeスポーツ(エレクトロニック・スポーツ)の拡大などはスマートフォンの成長減速に対する懸念を相殺するもので、引き続き海外販売の動向を注目していくとしている。

ただし、前年の基数が高いため、2018年下半期の輸出の伸び率は縮小するとの見方を示した。また、米中貿易摩擦の拡大、為替レートの変動や国際競争の激化、中国大陸におけるサプライチェーンの現地化などが制約要因になり得る、などと指摘している。

  • 画像:「一例一休」で揺れた台湾板金業界輸入数量指数(財別)の推移
  • 画像:「一例一休」で揺れた台湾板金業界輸出数量指数(財別)の推移

台湾経済を牽引する半導体業界

TSMCなど世界的なファウンドリが存在する台湾では、半導体市場が国内経済に大きく影響する。その意味で半導体需要の拡大サイクルが長期化する「スーパーサイクル」が続く2018年は、台湾経済にとって追い風となっている。

しかし、短期的には米中貿易摩擦の影響、半導体メモリーの代表種「DRAM」と「NAND型フラッシュメモリー」でともに世界シェア40%強を占める世界最大の半導体企業、韓国サムスン電子の設備投資が当初計画から後ずれしている影響を不安視する見方もある。

世界半導体市場統計(WSTS)が発表した「2018年春季半導体市場予測」によると、2017年の世界半導体市場は、半導体合計でみると、米ドルベースで前年比21.6%増と大幅に拡大した。WSTSは2018年もこの傾向が続くとしており、同12.4%の増加を見込んでいる。この勢いは鈍化するものの2019年まで成長は持続するとしている。

つづきは本誌2018年10月号でご購読下さい。

LINEで送る
Pocket

関連記事

特集記事一覧はこちらから