特集

新たな価値創造で得意先開拓に成功した企業

屋上換気・排煙・採光装置のOEMメーカー

“モノづくり”から“コトづくり”へ―新しいビジネスモデルにチャレンジ

株式会社 鶴元製作所

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 画像:屋上換気・排煙・採光装置のOEMメーカー左:㈱鶴元製作所の主力製品である屋上換気・排煙・採光装置(トップライト)/右:屋上換気・排煙・採光装置(ベンチレーター)

屋上換気・排煙・採光装置のOEMメーカー

福岡県北九州市にある㈱鶴元製作所は、大規模工場・ごみ処理場・発電所といったプラント、商業・教育・福祉施設などの屋上換気・排煙・採光装置を供給するOEMメーカーとして国内トップシェアをほこる。

学校やショッピングセンターなどの屋根に設置されている天窓は、室内に光を採り入れるだけでなく、火災時は排煙装置として重要な役目を果たす。建築基準法では「床面積の50分の1以上の排煙設備を建物に設置しなければならない」と定められている。この天窓にあたる「屋上換気・排煙・採光装置」のメーカーは国内に5社ほどあり、同社はOEMメーカーとして、そのうちの3社に製品を供給している。

また、OEMメーカーとして培ってきた加工技術と、一貫生産のノウハウを活用することで、建築金物や板金製品の企画・設計・製作も手がけている。2006年にはメタルアート事業部を発足し、端材を活用して、オブジェやステーショナリー、ガーデニング用品などの製作・販売も行っている。

  •  画像:屋上換気・排煙・採光装置のOEMメーカー代表取締役社長の鶴元清一郎氏
  •  画像:屋上換気・排煙・採光装置のOEMメーカー常務取締役の鶴元大三郎氏

建築板金施工から板金加工、OEMへ

同社は1962年、鶴元正勝氏が北九州市小倉北区で「鶴元板金工事店」として創業し、当初は建築板金施工を手がけていた。しかし屋外での施工は天候に左右されやすく、繁忙期と閑散期の受注変動が激しいため、雨の日や閑散期に屋内で作業できる板金加工を手がけるようになっていった。

1970年頃から屋上換気・排煙・採光装置の製造をスタート。モータリゼーションの進展とともに、郊外に大型ショッピングセンターが出店するのにともなって需要が増加し、大手建材メーカーからOEM供給の要請を受け、事業を拡大した。

1974年、㈲鶴元製作所に社名変更し法人化、1985年には現在地(東小倉工業団地)に本社工場を建設、移転した。その後は屋上換気・排煙・採光装置のOEMメーカーとして事業を集約するとともに、1990年代後半にはCADをいち早く導入し、開発設計から製造、完成までの一貫生産体制を確立。2011年に株式改組した。

2代目経営者の鶴元清一郎社長は、芸術大学の建築デザイン学科を卒業後、福岡市内で建築設計事務所に就職。27歳のときに独立し、建築の意匠設計を行う設計事務所を立ち上げた。その後、創業者である父親の呼びかけもあり、1995年に31歳で鶴元製作所に入社した。

  •  画像:屋上換気・排煙・採光装置のOEMメーカー長さ3mまでの曲げ加工に対応するHD-1303NT
  •  画像:屋上換気・排煙・採光装置のOEMメーカー工場内風景

会社情報

会社名
株式会社 鶴元製作所
代表取締役社長
鶴元 清一郎
住所
福岡県北九州市小倉南区新曽根1-8
東小倉工業団地
電話
093-473-1922
設立
1974年(1962年創業)
従業員数
21名
事業内容
屋上換気・排煙・採光装置の設計、製作/建築金物・板金製品の設計、製作/生活関連雑貨、自社開発ブランド「メタリオ」シリーズの企画、設計、製作、販売
URL
http://www.tsurumoto.co.jp/

つづきは本誌2016年9月号でご購読下さい。

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