“Chance, Challenge, Change”を目指す台湾板金業界
新工場の完成とENSIS-AJ導入で設備力強化
Webマーケティングを活用したグローバル対応
迎盛股份有限公司(BLIKSEN Co., Ltd.)

3階建ての本社工場が昨年竣工
同社は1989年に設立され、各種板金製品の設計から加工、組立までワンストップで対応している。27年間の経験、優秀な開発スタッフとデジタル化された加工設備を活かして、台湾内外の顧客に板金設計から製造までのソリューションを提供している。
2015年、台南・永康テクノロジーパークの以前から購入していた1,500坪の敷地に、2012年から着工していた900坪・3階建ての工場が完成、本社工場を移転した。赤・白・黒・グレーの4色をコーディネートした建物は、板金工場とは思えない洗練されたつくりとなっている。1階のエントランスは、金属をイメージさせるモニュメントが取り付けられた天井と、板金で製作されたアルミ製のパネルの壁で構成されている。正面の受付カウンター壁面のパネルの中ほどには、赤色のパネルに白色で書かれた「BLIKSEN」(英社名)のロゴが訪問者の目に飛び込んでくる。
2階会議室の壁面には、「改變(Change)」のサインが掲げてある。建物内の会議室や商談室には、それぞれこのようなサインが掲示され、建物を設計した経営者の想いが伝わってくる。
2階の事務所の仕切り壁には、赤色の箱文字で「DESIGN DEPARTMENT」のサインをしつらえている。その部屋こそ、15名のR&Dコンサルタントが3次元CADを駆使して顧客の要望に沿った設計・開発を行う「設計部」である。また、完成した製品モデルから板金加工用のデータを作成している。
3階は社員食堂で、ここにも自社製の真っ赤なワゴンが設置されている。ケータリングされた料理を並べたるためのワゴンだ。昼食時になると現在在籍する100名の社員が食堂に集まり、ワゴンから好きな料理を好きなだけ取って食べることができる。福利厚生も充実しているが、入口から工場内のインテリア、エクステリア、各種什器がすべて4色に塗り分けられており、特に赤色・白色の色づかいが若々しく、元気が出る雰囲気をつくりだしている。
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「改變(Change)」のサインが掲げられた会議室
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「DESIGN DEPARTMENT」には15名のR&Dコンサルタントが勤務している
経営者の想いを工場デザインに
オフホワイトの落ち着いた色彩の総経理室で、曽麗芳総経理は次のように話してくれた。
「新工場のデザインは、私が建築デザイナーと何度も話し合って決めました。当社は顧客へのコンサルティングを繰り返し、最新の板金加工設備を更新しながら製造プロセスの最適化を進め、最高の価値を顧客に提供することを目指しています。その結果として、板金設計・製造の技術をより多くの顧客に提供し、理想的な商品を共同で完成することを目指しています」。
「現在、電子機械パーツ、制御盤、半導体製造装置、各種機械カバー、精密板金部品を受託加工しています。台湾国内の顧客と良好な取引を行う一方で、海外市場の開拓も積極的に行っています。当社のクリエイティブな感性を紹介することが必要だと考え、この4色を選びました。最近は日系企業のお客さまが増え、日本の板金サプライヤーとも連携する機会が増えてきました。実は日本が大雪にならなければ今日、鹿児島県が主催する企業視察団が当社を訪問し、意見交換する予定でした。日本の企業も当社も相互に必要とする部分があるはずで、今後はもっと日本企業との連携を強化していきたい。早い時期に日本に営業所を開設し、交流を拡げたいと思います。“高品質な加工”“革新的な技術”“オンタイム納品”“スピーディーなサービス”の4つの目標を掲げ、顧客満足度の向上に取り組んでいきたい」。
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ファイバーレーザマシンENSIS-3015AJ+ASFH-3015G(2kW)。台湾1号機で、新工場竣工に併せて導入した
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ネットワーク対応型ベンディングマシンが並ぶ曲げ工程
会社情報
- 会社名
- 迎盛股份有限公司
- 英社名
- BLIKSEN Co., Ltd.
- 総経理
- 曽麗芳
- 住所
- 台湾・台南市永康区永科環路75號
- 電話
- +886-6-2333568
- 設立
- 1989年
- 従業員
- 100名
- 業種
- 半導体製造装置関連部品・電子機器筐体・工作機械カバー・配電盤筐体・射出成形機カバーの板金設計・加工・組立
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