特集

厚板・大板材対応ファイバーレーザマシン最新活用事例

集中投資計画の最後のピース ― レーザ増設で厚板の加工速度3~5倍

厚板・大板材の「内製化」で持ち前の「対応力」に磨き

倉敷動力工業 株式会社

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画像:集中投資計画の最後のピース ― レーザ増設で厚板の加工速度3~5倍2025年11月に導入した大板材対応ファイバーレーザマシンVENTIS-6225AJe(9kW・シャトルテーブル仕様)

加工範囲拡大 ― 厚板の加工速度は3~5倍に

画像:集中投資計画の最後のピース ― レーザ増設で厚板の加工速度3~5倍水畑行弘社長(左)と木山紘平専務(右)

岡山県倉敷市で鋼板加工を手がける倉敷動力工業㈱は2025年11月、大板材対応ファイバーレーザマシンVENTIS-6225AJe(9kW・シャトルテーブル仕様)の国内1号機を導入した。アマダ独自のビーム軌跡制御技術「LBC」を搭載した高出力9kW仕様で、8′×20′(2,438×6,096㎜)の大板材に対応する。

新倉庫を建設し、鋼板の常時在庫量を約1,500トンまで引き上げるとともに、加工設備の再配置を行ってVENTIS-6225AJeの設置スペースを確保。これにより切断工程は既設のCO2レーザマシン2台と合わせ、計3台になった。

厚板の加工速度は従来の3~5倍に向上し、切断面品質も改善した。また、これまでガス切断で対応していたSS400・板厚30~40㎜がレーザ加工で対応可能になった。

8′×20′の大板材に対応するため、加工可能な鋼板サイズが従来の長さ約4mから約6mになり、板厚・サイズの両面で加工範囲が大幅に拡大した。従来は外部に委託していた加工を内製化したことで、同社が得意としてきた短納期対応に磨きがかかり、利益率も改善している。

今後は既設のCO2レーザマシン2台を順次VENTIS-AJeに更新していく計画。3年後をめどに年間加工量を現在の1.3倍にあたる約4,500トンへと引き上げ、10年後には6,000トンの達成を目指す。

  • 画像:集中投資計画の最後のピース ― レーザ増設で厚板の加工速度3~5倍2025年に増築した新倉庫。鋼材の仕入先である東京製鐵の低CO2鋼材「ほぼゼロ」のパネルも掲示している
  • 画像:集中投資計画の最後のピース ― レーザ増設で厚板の加工速度3~5倍VENTIS-AJeのシャトルテーブル。日中は板厚が異なる端材を並べて数量が比較的少ない製品を加工する

2トップ体制で成長を加速 ― 加工量は右肩上がり

倉敷動力工業は、鋼板の切断から曲げ加工、タップ加工、開先加工までワンストップで手がける鋼材加工企業。かつては農機具部材の加工に特化していたが、2011年に水畑行弘社長が2代目経営者に就任した頃から地域の鋼材商社との継続取引が始まり、同社初のレーザマシンFO-MⅡ 3015NT(4kW)を導入したことで成長軌道に乗った。2015年には2台目のレーザマシンFO-MⅡ 4222NT(6kW)を導入して加工能力を増強。2022年5月に鋼材商社出身の木山紘平専務が入社してからは顧客が急増し、2トップ体制で成長を加速させている。

現在の顧客数は約140社。そのうち30~40社で売上全体の約90%を占める。顧客の産業分野は、農機具・建設機械・産業機械・造船・自動車・設備関係・建築など多岐にわたり、それぞれ売上構成比20%以下にとどめている。戦略的に分散化を進めたことで経営基盤の強靭化をはかるとともに、顧客・業種・サイズが異なる製品を効率よく割り付けることで材料歩留りも改善した。

年間加工量は、2022年が2,200トン、2023年が2,700トン、2024年が2,950トン、2025年が3,450トンと右肩上がりで伸び、4年間で約1.6倍になった。期初からVENTIS-6225AJがフル稼働する今期(2026年12月期)は、前年比7~10%増の年間3,700~3,800トンを目指す。

加工材料はSS400のほか、縞鋼板(CPL)、冷延材(SPCC)、酸洗材(SPHC-P)、ボンデ鋼板(SECC)、溶接構造用圧延鋼材(SM490A)などで、一般的な鉄工所が日常的に用いる材料は常時在庫。板厚はSPCC・0.5㎜からSS400・190㎜まで対応し、ボリュームゾーンの6.0~19㎜が約50%、22~40㎜が約30%を占める。ステンレスも板厚19㎜程度まで対応するほか、曲げ・タップ・開先といった2次加工まで含む案件が全体の20%程度を占めている。

画像:集中投資計画の最後のピース ― レーザ増設で厚板の加工速度3~5倍左:VENTIS-6225AJeでSS400・板厚40㎜から切り出したサンプルワーク。「切断品質は十分に実用レベル」(木山専務)/中央:造船業界向けの吊金具(SS400・板厚38㎜/右:造船業界向けのフランジ(SS400・板厚19㎜)。U字型の切り欠き部のシャープなエッジが評価され、板厚38㎜まで受注している

会社情報

会社名
倉敷動力工業 株式会社
代表取締役
水畑 行弘
所在地
岡山県倉敷市南畝6-14-32
電話
086-456-1577
設立
1978年
従業員数
23名
主要事業
鉄鋼版加工(レーザ加工・ガス溶断・曲げ加工)
URL
https://kurado.co.jp/

つづきは本誌2026年7月号でご購読下さい。

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