特集

厚板・大板材対応ファイバーレーザマシン最新活用事例

「鉄とともに、熱く、強く、しなやかに」 ― 環境負荷低減、省人化、付加価値向上を追求

重厚長大から軽薄短小へという市場の変化と環境対応を重視した設備選定

株式会社 樫本商店

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画像:「鉄とともに、熱く、強く、しなやかに」 ― 環境負荷低減、省人化、付加価値向上を追求セカンドステーション側から見たファイバーレーザマシンVENTIS-6225AJe(9kW)+AS-6225+セカンドステーション+IJP

時代の変化を見据えた事業転換と成長

画像:「鉄とともに、熱く、強く、しなやかに」 ― 環境負荷低減、省人化、付加価値向上を追求濱屋慎吉社長

㈱樫本商店は、1949年に先々代の樫本勇氏が福岡県八幡市山王町(現・北九州市八幡東区山王)で創業、製鋼原料の取り扱いを始めた。1968年に薄板用レベラーを新設して鋼板の委託加工事業を開始し、1970年には丸棒の委託圧延事業にも手を広げ、1974年に㈱樫本商店を設立した。

しかし、1973年の石油ショックの影響を受け、丸棒業界が構造不況に陥ったことから委託圧延事業から撤退。1981年に本社所在地を八幡市陣山(現・北九州市八幡西区陣山)に移転。翌年には特殊鋼の素材販売および板厚6.0~180㎜の切断が可能なガス切断機NCアイトレーサーなどを導入、鋼材切断事業を開始した。そしてバブル崩壊後の1993年、娘婿の濱屋慎吉氏が3代目社長に就任した。

社会構造の変化による資源高や消費の多様化を背景に、基幹産業の主役が鉄鋼・造船・化学・セメントなどの巨大なインフラ型から、消費者の価値観の多様化を受けて台頭した半導体・パソコン・電子部品・精密機器などのエレクトロニクス産業へとシフトしていくと、濱屋社長は時代の変化に対応するため、1994年に本社を北九州市若松区の響工業団地に移転・集約、2006年に鋼板加工の㈲長門剪断工業(下関市)を吸収合併した。

最大加工板厚の変動と設備強化

2008年のリーマンショック以降、鋼材加工も板厚を最大180㎜から90㎜までに削減、1枚あたりの平均重量もそれまでの25~30㎏から10~15㎏に減少した。この移行期間に板厚3.2~32.0㎜に対応する400Aプラズマ切断機、2006~2007年に4kW発振器を搭載した自走式のCO2レーザマシン2台を相次いで導入、設備力を強化した。

2011年の東日本大震災を経て、単位資源あたりの生産性を重視する考え方が重んじられ、投入資源あたりの生産性向上をはかることが、経営上の重要課題として捉えられるようになってきた。この流れを経て、産業界では「ソフトウエア」「環境配慮」「デザイン性」が重視される時代へと移り変わっていった。

画像:「鉄とともに、熱く、強く、しなやかに」 ― 環境負荷低減、省人化、付加価値向上を追求左:最大加工寸法を6,200×2,580㎜に拡大したVENTIS-6225AJe/右:9kW発振器でSS400・板厚40㎜の高品質な加工に対応する

エコマシンで資源生産性を改善

政府は2013年、資源生産性の大幅な改善が見込まれる事業計画を支援するため、先端生産設備等の導入に際して、事業者への補助を行う「円高・エネルギー制約対策のための先端設備等投資促進事業」を開始した。濱屋社長はこの事業に応募、採択されると従来のCO2レーザマシンに比べ電気使用量を大幅に削減できるファイバーレーザマシンFOL-3015AJ(2kW)+LST-3015FOLと、自走式ファイバーレーザマシン(2kW)を導入した。

濱屋社長はこれを契機に「資源生産性の改善」に対応する方法は、エコマシンの導入以外にないと考えるようになった。2014年にFOL-3015AJ(4kW)+LST-3015FOL、2017年にENSIS-3015AJ(2kW)を導入。2019年にはFOL-AJ(4kW)と自走式CO2レーザマシン(4kW)の入れ替えで、ENSIS-4020AJ(9kW)+AS-4020Gを導入した。

「導入した自走式レーザマシンは、レーザ発振器と加工ヘッドを搭載した本体がレール上を自走できます。レールの長さを拡張すれば、いくらでも加工テーブルを長くすることができ、一般的なレーザマシンでは積載できない、特大サイズの大板鋼板加工に対応できます。しかし、設置面積が広大になること、材料搬入や製品搬出の際に機械を停止する必要があることから、作業効率や量産対応が課題でした」。

「これに対してパレットチェンジャー仕様のファイバーレーザマシンは、加工エリア外に多段の材料棚を備えており、材料供給や製品搬出を自動化し、多品種少量生産や量産の加工を長時間連続により行うことができます。また、設置スペースも削減することができます。生産効率を考慮した結果、当社には棚付きのファイバーレーザマシンが最適と考え、アマダ製ファイバーレーザマシンを更新したものも含めてこれまでに7台導入してきました」。

「現在の加工範囲としては板厚60㎜までに対応しており、1枚あたりの平均単重も4~5㎏に減少しています」と濱屋社長は語っている。

  • 画像:「鉄とともに、熱く、強く、しなやかに」 ― 環境負荷低減、省人化、付加価値向上を追求大板から切り出した産業機械部品
  • 画像:「鉄とともに、熱く、強く、しなやかに」 ― 環境負荷低減、省人化、付加価値向上を追求同社では中部鋼鈑の環境配慮型電気炉鋼材「すみれす」をレーザ切断用鋼板として活用している

会社情報

会社名
株式会社 樫本商店
代表取締役
濱屋 慎吉
所在地
福岡県北九州市若松区大字安瀬1-23
電話
093-751-6211
設立
1974年(1949年創業)
従業員数
34名
主要事業
レーザ切断・ガス溶断・シャー切断・プラズマ切断・鋼板曲げ加工・その他加工
URL
https://kasimoto-shouten.com/

つづきは本誌2026年7月号でご購読下さい。

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