鋼材業界のファイバーレーザ+棚システム最新活用事例
新生「座間工場」 ― 付加価値を生み出す「最新鋭のレーザ切断工場」へと進化
新型ファイバーレーザ加工機を2台導入 ― 建産機向け部材の新規獲得にも意欲
藤原鋼材 株式会社
「座間工場」をリニューアル ― 「最新鋭のレーザ切断工場」へ
藤原鋼材㈱は「座間工場」(神奈川県座間市)の厚板加工設備の更新と抜本的なレイアウト変更を実施し、今年4月から本格稼働を開始した。切板の加工能力・加工品質を向上させるとともに、構内のモノの流れを最適化して生産効率を改善。創業70周年をむかえ、「目指せ100年企業へ!」のスローガンのもと、さらなる顧客満足度の向上と競争力強化をはかった。
1969年に開設した「座間工場」は、約6,600㎡の敷地に事務所棟、一般鋼材倉庫、薄板倉庫、厚板溶断工場が配置されている。2017年には社員の安全・安心とBCP対応のため、工場建屋の耐震補強工事を実施。さらに、厚板溶断工場(1,800㎡)に同社初のファイバーレーザ加工機(自走式・6kW)、CNC形鋼切断用バンドソーHKB-6050CNCを導入し、同社が得意とする「スポット注文の多品種少量・短納期対応力」に磨きをかけた。
2023年夏から2024年2月にかけて実施した大規模リニューアルでは、既存設備を一部撤去し、ファイバーレーザマシンLC-VALSTER-6225AJ(10kW)のパレットチェンジャー仕様(6段)と、自走式ファイバーレーザ加工機(12kW、有効切断長33m)を導入。これにより切板の加工設備は、ファイバーレーザ加工機2台とガス溶断機の3台体制となった。
併せて実施した抜本的なレイアウト変更により、作業動線などのロスを解消するとともに、安全対策や品質管理にも徹底対応。切板生産能力は約20%向上し、板厚3.2~120㎜の切板の高速・高精度加工に対応する「最新鋭のレーザ切断工場」として生まれ変わった。
藤原雅之会長は「これからの時代は定尺販売だけでは難しい。加工分野を強化し、自分たちの力で付加価値を生み出すことがわれわれの進むべき道。『最新鋭の工場・設備とIT技術を備えた鉄屋のプロ』としてマーケットにおける存在感を高め、持続的成長を成し遂げたい」と語っている。
経営改革を断行 ― 「100年企業」を目指す
同社は創業以来70年超にわたり、独立系鋼材2次流通企業として事業を展開してきた。1969年には「座間工場」を開設し、厚板溶断・切板生産の領域に進出。現在は東京・麻布十番の「本社」のほか、「川崎支店」(神奈川県川崎市)、「座間支店」「座間工場」(神奈川県座間市)、「浦安倉庫」(千葉県浦安市)の4拠点をかまえる。各種一般鋼材の在庫販売と厚板の溶断加工を中核事業とし、営業と工場(加工)双方の機能を強化しながら発展を続けている。
同社は物件対応の建築用部材に特化し、「提案力を備えた最強の営業部隊」「匠の技能を持った戦う集団」として、「スポット注文の多品種少量・短納期対応力」を強みとしてきた。鋼材の在庫販売や自社工場での加工だけでなく、企業ネットワークを駆使して穴あけ、開先、ショットブラスト、曲げ、溶接製缶、めっき・塗装までの一貫対応も可能。「ハンター型」(藤原会長)の営業スタイルで提案営業を展開し、顧客の信頼を勝ち取ってきた。
藤原会長は2012年に3代目社長に就任して以来、強力なリーダーシップでさまざまな経営改革を断行してきた。「目指せ100年企業へ!」をスローガンに掲げ、10年余の短期間で財政健全化、ワンマン経営体質からの脱却、M&A、ITによるシステム改革、「座間工場」や「川崎支店」のリニューアルなどを次々と実現していった。
2023年には経営執行体制を刷新し、永瀬孝信氏が4代目社長に就任。支店長・本部長などの幹部も若返りをはかり、新体制で30年後の創業100周年を目指す。
会社情報
- 会社名
- 藤原鋼材 株式会社
- 代表取締役会長
- 藤原 雅之
- 代表取締役社長
- 永瀬 孝信
- 本社
- 東京都港区麻布十番1-7-3 藤原ビルディング
- 座間工場
- 神奈川県座間市広野台2-9-1
- 電話
- 03-3404-5171(本社)
- 設立
- 1955年(1953年創業)
- 従業員数
- 60名
- 主要事業
- 鋼材全般の販売・加工業務
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