大板材6m対応の高速・高生産性レーザマシン導入事例
「自走式から棚システムへ」
大板材対応の高速・高生産性レーザマシンLC-6030θⅢ
株式会社 アマダマシンツール レーザ事業企画室 杉山隆宏
「溶断」の主流は自走式(ガントリー型)
厚板シャーリング業界は、建築分野・建設機械分野・産業機械分野・輸送機分野など、さまざまな分野の切板に対応している。近年では、製品の高品質化、多品種少ロット化、短納期生産要求、働き方改革による工数不足、人手不足などに対応するため、原価低減に向けた取り組みが必要となっている。
シャーリング業界の切板加工は、「シャーリング切断」と、ガスなどの熱源で切断する「溶断」とに大別される。「溶断」は、ガス切断・プラズマ切断・レーザ切断があり、ともに機械化が進んでいる。主流は自走式のタイプ(ガントリー型)で、20~50mの加工テーブルに複数の素材を置き、本体がレール上を移動しながら加工する方式が中心だった。(加工ヘッドがレール上に複数搭載されているケースもある)
超高速加工と高生産性を実現するレーザマシンLC-6030θⅢ+AS-61020PC
そのような中、アマダマシンツールは、大板(6m)に対応し、棚システムを備えた省スペースで高速・高生産性を実現するレーザマシンLC-6030θⅢを業界に提案する。
LC-6030θⅢは、8´×20´材(長手6,096㎜)対応の加工テーブルと6段棚システム(AS-61020PC)をセットにしたCO₂レーザマシン(6kW)である。業界では、自走式(ガントリー型)ファイバーレーザが近年納入され始めているが、20㎜を超えるような板厚の切断についてはやはり、なめらかな切断面をほこるCO₂レーザで加工された製品が好まれている。
自走式は、本体を移動しながら加工するのに対し、LC-6030θⅢは、レーザヘッドを移動させながら加工する方式を採用しており、1,500×3,000㎜(5´×10´材)以内の加工では超高速加工を実現する。
また、大板製品の加工に対しては、テーブルを移動させながら加工する方式で対応し、ネスティングにより運転方式を判断し加工することで高い生産性を実現する。
つづきは本誌2019年7月号でご購読下さい。