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職人の技術に頼らない「誰でも化」を追求するユースエール企業

自動化・デジタル化・作業標準化を推進

株式会社 ユーエスケイ

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画像:職人の技術に頼らない「誰でも化」を追求するユースエール企業2021年に導入したコンパクトファイバーレーザマシンBREVIS-1212AJ。生産性は5~8倍に改善した

平均年齢29歳、女性比率60%のユースエール認定企業

画像:職人の技術に頼らない「誰でも化」を追求するユースエール企業代表取締役の内田勉氏

群馬県伊勢崎市の㈱ユーエスケイは、設計から製作まで手がける総勢15名の精密板金加工企業。小規模かつ多品種少量生産に特化していながら、“デジタル化”と“作業標準化”によって、職人の技術に頼らない「誰でも化」を推進し、着実に成果を挙げてきた。

従業員の平均年齢は29歳と若く、15名中9名が女性社員、しかも全員が正社員だ。ブランク・曲げ・溶接の各工程にはリーダークラスが1名ずつ配置されているが、それ以外は板金加工の経験がないノンスキルドワーカーとなっている。

「誰でも化」と並行して、若者や女性が活躍できる環境づくりにも力を注いできた。2019年には、育児・介護と仕事の両立、女性の活躍推進、従業員のワークライフバランス向上といった取り組みが評価され、「群馬県いきいきGカンパニー」のゴールド認証を取得した。2020年には、働き方改革の取り組みや、若者の採用・育成に積極的な姿勢が認められ、「2019年度ユースエール認定」(厚生労働省)を取得している。

画像:職人の技術に頼らない「誰でも化」を追求するユースエール企業左:VPSS 3i BLANKの画面/右:自動金型交換装置付きベンディングマシンHG-1003ATC。作業者を選ばず、汎用ベンダー3台分の品目数をさばいている

中心ロット1ケタの多品種少量生産

ここ数年の業績は増収増益で推移しており、直近5年間の売上高は年平均10%程度で成長している。

得意先は約20社。そのうち主要3社で売上全体の80%程度を占める。3社はいずれもメーカーで、業種と売上構成比は、情報通信機器(40~50%)、宅配ボックス関係(10%)、農機具関係(10%)となっている。

今後の成長が期待されるのが宅配ボックス関係だ。同社が得意としているのは、集合住宅などに設置される規格品ではなく、主に戸建て住宅に設置されるセミオーダータイプの製品。EC市場の成長と、宅配便の再配達削減のニーズにより、宅配ボックスは今後も需要の拡大が予想される。

全体のリピート率は時期によって40~70%の間で変動するが、平均すると50%程度。中心的なロットサイズは1~3個という典型的な多品種少量生産となっている。

加工材料は、鉄系材料とアルミが40%ずつ、ステンレスが20%で、数は少ないが銅・真鍮も加工する。情報通信機器はアルミの使用割合が高く、外観品質も求められるため、両面保護シート付きで加工する必要があり、パンチング加工で対応する。宅配ボックス関係はSUS443やSUS304といった耐食性が高いステンレス材を多用する。鉄系材料は、SECCや溶融亜鉛めっき鋼板といった表面処理鋼板が多い。板厚は0.1~9.0㎜に対応し、4.5㎜以下の薄板が中心となっている。

  • 画像:職人の技術に頼らない「誰でも化」を追求するユースエール企業ロボット溶接機による溶接作業。多品種少量生産の溶接の「誰でも化」が今後の課題
  • 画像:職人の技術に頼らない「誰でも化」を追求するユースエール企業一部の製品は組立まで対応している

会社情報

会社名
株式会社 ユーエスケイ
代表取締役
内田 勉
所在地
群馬県伊勢崎市戸谷塚町288-1
電話
0270-31-0350
設立
2007年(1991年創業)
従業員数
15名
主要事業
金融端末筐体部品、情報通信機器部品、医療機器部品、事務機器部品の各種精密板金・試作・量産・組立
URL
https://usk1991.jp/

つづきは本誌2022年10月号でご購読下さい。

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