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コスト・調達の見直しが進む工作機械カバー

工作機械業界の板金調達額は年間800億円規模

板金カバー調達のリエンジニアリングを模索

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画像:工作機械業界の板金調達額は年間800億円規模9月に米国・シカゴで開催された「IMTS 2018」には過去最高の12万9,415人の来場者が訪れた

国内外で実需は好調

9月10日から15日までの6日間、米国・シカゴで世界4大国際工作機械見本市のひとつである「IMTS 2018」(シカゴ国際工作機械見本市2018)が開催された。今回のIMTSは、米中貿易摩擦の渦中で米国製造業界の設備投資意欲を測る意味で注目を集めた。期間中の来場者数は、過去最高の12万9,415人にのぼり、広いはずの展示会場が手狭に感じられるほどのにぎわいだったという。とくに自動化・省力化のシステム提案などへの関心が高く、実需の強さ、繁忙な状況が明らかになった。

また、11月1日から6日までは東京ビッグサイトで「JIMTOF 2018」(第29回日本国際工作機械見本市)が開催される。毎回、国内外から多くの来場者が訪れており、来場者の関心の高さを測ることで、日本やアジアでの設備投資意欲の実態をたしかめることができる。

画像:工作機械業界の板金調達額は年間800億円規模工作機械の受注額推移

2018年の受注見通しを上方修正、1兆8,500億円へ

一般社団法人日本工作機械工業会は、2018年の工作機械の年間受注額の見通しについて、8月までの累計受注額が前年同期比21.7%増の1兆2,555億円になったことを踏まえ、1兆8,500億円に上方修正した。

好調な要因としては、国内外ともに企業の生き残りのため、今後の成長・発展を視野に入れ、自動化・生産性向上・生産効率改善へ向けた投資を、業績が好調のうちに着実に実施したいとする企業経営者の投資行動がある。

とくに経済を牽引する代表業種である半導体業界は、好不況を3~5年で繰り返す「シリコンサイクル」を超えて好況が続いている。スマートフォンの出荷台数が年間15億台を目前に頭打ちになる一方、あらゆるモノがインターネットにつながるIoTに関連するニーズが新たに浮上。自動運転車やAI(人工知能)、フィンテックなどが牽引している。

シスコシステムズによれば、2016年に171億台だったネット接続機器は、2021年までに271億台に増える見通しという。やり取りするデータ量も加速度的に増え、それにともない、次世代高速通信「5G」の実用化やデータセンター増設などで、半導体の需要は確実にふくらむと見込まれている。

これからの成長分野は「IoT」「クラウド」「AI」「自動車」「5G」といわれている。業界ではこの先何年間も受注残を抱えており、大きく落ち込む可能性は少ない。また、EVシフトが懸念される自動車業界も、足もとの設備投資は堅調で、大きな落ち込みはない。こうした要因から、工作機械の受注は高止まりで推移していくものと見られる。

つづきは本誌2018年11月号でご購読下さい。

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