特集

サニタリー設計に対応する食品機械の板金加工

食品機械の安全・衛生化への対応が求められる板金業界

サニタリー設計への対応はハードルが高い

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画像:食品機械の安全・衛生化への対応が求められる板金業界「FOOMA JAPAN2018」の会場風景/一般社団法人日本食品機械工業会提供

参入を考えるサプライヤーは多い

「食品機械の板金加工」を特集として取り上げ、取材を進めていくなかで強く感じたことがある。

まず、食品関連は景気の変動を受けにくいことから、板金サプライヤーの多くが新規に取り組む分野として魅力を感じている。小誌の新春アンケート調査の結果(1月号掲載)を見ても、これから開拓したい業種として、食品機械は医療機器などに次いで多かった。

ところが取材を通じて、食品機械の板金加工を手がけるサプライヤーに話を聞くと、想像していた以上に参入が難しい分野だということが見えてきた。とりわけサニタリー設計 ― 「GMP」「HACCP」「EHEDG」といった「食の安全・安心」に対応した国際的な衛生基準を理解し、対応することまで考えていくと、参入のハードルは高くなる。

ゆるやかな伸びが続く食品機械

食品機械の販売額は、機種によって異なるものの、全体では毎年成長を続けており、2017年も前年比10.5%増の5,762億円となった。

しかし食品業界は、食品の安全性の担保、深刻化する人手不足、低価格化、多様化する消費者ニーズ、環境対策、少子高齢化にともなう国内市場の縮小など、多くの課題を抱えている。

そのため食品機械業界では、ユーザーである食品業界の動向を注視しながら、コスト削減や効率化・省力化を追求しつつ、絶えず「サニタリー設計」に対応した技術革新を進めていく必要がある。「食の安全・安心」という基本を堅持しながら、食に関わるビジネスの新たな領域を切りひらき、多様化する消費者ニーズに対応することで、国民の生命と生活の基本である「食」の安定供給を支えていくことが求められている。

そんな背景から、板金サプライヤーにも食品機械の衛生性への対応が強く求められており、その要求事項を満足させるためには、高いハードルを乗り越えることが必要になっている。

つづきは本誌2018年8月号でご購読下さい。

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