鉄道車両
世界の鉄道市場は年間20兆円超え
市場としての中国と中国メーカーの世界市場進出が目立つ
新興国市場で激化する鉄道システムの受注競争
欧州鉄道産業連盟(UNIFE)によると、2017〜2019年の世界の鉄道関連の市場規模は年間平均で1,762億ユーロ(21.1兆円、1ユーロ=120円)と推定されている。
世界では近年、新興国を中心に鉄道の新線計画が相次いでおり、ボンバルディア(カナダ)、シーメンス(ドイツ)、アルストム(仏)の欧米ビッグ3に加え、中国中車(中国)が低価格を武器に受注を競うようになっている。
一般社団法人日本鉄道車輌工業会の資料によると、2014年度の鉄道車両メーカー4社の地域別売上高は、中国中車が3.2兆円、ボンバルディアが1.2兆円、シーメンスが9,800億円、アルストムが8,300億円となる。
売上シェアでみると、中国中車は国内市場で93%、ビッグ3は欧米市場で80%以上(欧州市場が60~70%、北米・中南米市場が10~20%)となっている。アジア・太平洋地域の売上高については、各社とも7~15%に留まっている。しかし今後は、成長市場とみられているアジア・太平洋・中近東・アフリカ市場でのシェア拡大のため、各社間の受注競争がいっそう激しくなると予測される。
つづきは本誌2016年8月号でご購読下さい。