特集

レギュレーション対応が課題―医療機器の板金加工

成長牽引産業としての医療機器

国内の医療機器の産業規模は2015年で3兆円

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画像:成長牽引産業としての医療機器CTのガントリ部の生産ライン/GEヘルスケア・ジャパン

世界の医療機器市場は2年後には52兆円

医療機器の世界市場は、2012年に3,078億ドルだったのが、2017年には41.1%増の4,344億ドル(約52兆円、1ドル120円換算)にまで成長するといわれている(図1

また、2015年から2020年にかけて年率4.9%で成長するとの予測もある。1人あたりの所得の拡大や医療保険の適用化、健康関連インフラの増加、さらには中国をはじめとした新興諸国や発展途上国での市場の拡大が成長の主な要因となっている。地域別では新興諸国や発展途上国が多く、今後は伸び代の大きなアジア太平洋地域が世界市場を牽引すると見られている。

画像:成長牽引産業としての医療機器図1:医療機器の世界市場/ Espicom(エスピコム)

2019年に世界2位の市場規模となる中国、ヘルスケア改革法成立で医療費が増える米国

みずほ銀行産業調査部の調査によれば、中国の2013年の医療機器市場規模は約160億ドルであり、米国・日本・ドイツに次ぐ世界4位だが、2019年には約380億ドル(4兆5,600億円)に拡大、世界2位に浮上する見込み。医療制度改革により市場が拡大する一方、規制強化、医療機器の国産化の動きも顕著になっている。

先進国市場では、市場規模の大きい米国で2010年3月にヘルスケア改革法が成立し、2014年1月から個人の医療保険加入が義務化された。米国では国民の6人に1人、約5,000万人の無保険者がいるとされていたが、保険未加入者には罰金が科せられることもあり、2014年中に700万人超が登録したとみられる。保険加入者は現在も増加基調で推移しており、医療への支出が増える傾向になっている。また、これまでは保障対象外であった予防サービスや慢性疾患が医療保険の対象とされ、関連する医療機器の需要増が見込まれている。

つづきは本誌2015年12月号でご購読下さい。

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