板金論壇

「栄枯盛衰」に学ぶ工作機械産業

『Sheetmetal ましん&そふと』編集主幹 石川 紀夫

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米国の工作機械産業の衰退

栄枯盛衰という言葉があるが、世界の工作機械産業の歴史を見てみると、その言葉が如実に現れているのが米国。

私事で恐縮だが、1974年、私は米国・シカゴで開催されるIMTS(当時はシカゴ国際工作機械見本市)と、1958年に世界で最初のマシニングセンタ「ミルウォーキーマチック」を発表し、当時は世界最高峰の工作機械メーカであったカーネイ&トレッカー社(K&T)や、円筒研削盤メーカーのランディス社などを取材で回った。入社3年目の業界事情も十分に知らない若造だったが、K&T社を訪問し、交換する工具がカンザシのように並べられたマシニングセンタを見て感銘を受けた記憶がある。ランディス社ではクランクシャフトを重研削する研削盤に驚かされた。

当時、米国は工作機械の製造大国であり、IMTSの会場を訪れても、メイン会場はこうした米国のトップ企業が主要な位置にブースを構えており、日本メーカーは片隅に置かれている時代だった。しかし今では、そうした名門メーカーの大半は企業買収によってなくなってしまった。

米国に学んだ日本の工作機械業界は、1982年から2008年頃までの26年間、連続で工作機械生産の世界一位を続け、ドイツと並んで世界の工作機械産業をリードしてきた。

つづきは本誌2015年11月号でご購読下さい。

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