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【特集2】 ENSIS-6225AJ

ファイバーレーザマシンを拡充 ― レーザマシンは計13台に

小野建 株式会社

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画像:ファイバーレーザマシンを拡充 ― レーザマシンは計13台に「堺スチールセンター」に導入された10段の多段ストッカーAS-6225(右)付きの大板ファイバーレーザマシンENSIS-6225AJ+AS-6225(左)

2021年3月期の経常利益は前年同期比で2.9%増

小野建㈱は創業以来、70年以上にわたって「鉄」という素材を取り扱ってきた鉄鋼・建材の流通商社。鉄鋼商品・建機商品・建設工事を手がけ、建設業・機械製造業・造船業など、さまざまな分野の産業に「鉄」を供給している。

2005年には東証一部に上場。2019年3月期の連結売上高は2,321億6,400万円、2020年3月期は2,292億9,000万円、2021年3月期は2,028億2,500万円となった。2021年3月期は新会計基準への適用による業績変動と、コロナ禍で需要が落ち込んだことによる販売数の減少、前年同期比で販売単価が下落したことによる影響もあって売上高は減少した。

これに対し、経常利益は66億8,000万円(2019年3月期)、65億2,700万円(2020年3月期)、67億1,700万円(2021年3月期)となっている。2020年度後半からの鉄鋼商品市況の上昇により、在庫出荷分を中心とした利益率改善などによって経常利益は前年同期比で2.9%増となった。

  • 画像:ファイバーレーザマシンを拡充 ― レーザマシンは計13台に6kWファイバーレーザ発振器を搭載したENSIS-6225AJ+AS-6225は、最大25㎜の板厚の加工に対応する
  • 画像:ファイバーレーザマシンを拡充 ― レーザマシンは計13台にENSIS-6225AJによるSS材・板厚19㎜のレーザ加工

2022年3月期までに加工製品の売上を20%アップする

小野建グループは国内で29カ所の物流拠点を展開。常時24万トン前後の鉄鋼の在庫を抱えており、午前に受けた注文は、当日中に届ける物流ネットワークを強みとしている。最近は自動車や造船、ゼネコンを取引先とするサプライヤーが、これまで自社で手がけてきた加工工程の一部を同社に依頼するケースが増えており、加工製品へのニーズが高まってきている。

そこで2019年度から鋼板の切断・穴あけ・曲げに対応できる設備を全国の拠点に導入。レーザ加工ができる拠点を沖縄県・福岡県・愛媛県・大阪府・兵庫県・滋賀県・三重県・愛知県・石川県に開設、稼働させるようになった。2022年3月期までの3年間の設備投資は、2019年3月期までの3年間の設備投資の約2.5倍を予定している。

2022年3月期までに素材販売から一次加工品(切断・穴あけなど)までの販売強化、在庫品種ならびに新増設を含めた加工設備を拡充させることで、全売上高に占める加工製品の比率を現在の10%から20%に高める計画を発表している。

  • 画像:ファイバーレーザマシンを拡充 ― レーザマシンは計13台にENSIS-AJで加工された製品は溶接構造用鋼板(SM材)と建築構造用鋼板(SN材)のどちらもノッチのない均一な切断面を得られる
  • 画像:ファイバーレーザマシンを拡充 ― レーザマシンは計13台にENSIS-AJで加工したSM材・板厚16㎜の製品

「生き残れるのは強みを持つ企業だけ」 ― 付加価値向上のため川下戦略を徹底

同社は2016年3月期までの3年間に、10年先を見据えた約260億円の設備投資を実施。千葉県浦安市や大阪府堺市に主要な物流拠点を整え、加工力・販売力を高めていった。その結果、2019年3月期の連結売上高は10年前より約40%増加した。

2020年の国内粗鋼生産量は前年比16.2%減の8,319万トンと6年連続の減少となっている。そんな市況がきびしい状況だからこそ、「生き残れるのは強みを持つ企業だけ」という認識で、同社では加工販売により付加価値を向上させるための川下戦略を徹底している。

現在、小野建グループは西日本エリアに28カ所、東日本エリアに3カ所、合計31カ所の営業拠点で事業を推進。創業地・九州で培った「鋼材は1本から」のきめ細かなデリバリー体制を整え、東日本へと事業拡大を目指している。

また、大型のストックヤード(大型物流センター)を全国各地に保有することで大口・小口の両方に対応する「鉄と建材のスーパーマーケット」を目指し、事業を展開する。

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会社情報

会社名
小野建 株式会社
代表取締役社長
小野 建
本社
福岡県北九州市小倉北区西港町12-1
堺スチールセンター
大阪府堺市西区築港新町1-5-7
電話
072-241-8461(堺スチールセンター)
設立
1949年
従業員数
796名(連結)
主要事業
鋼材の販売・加工・土木建築材料の販売、土木建築工事の請負
URL
http://www.onoken.co.jp/

つづきは本誌2021年9月号でご購読下さい。

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