特集

第30回優秀板金製品技能フェア 優秀製品紹介(その2)

±0.02㎜の曲げ精度×21個のパーツを組み合わせ

「俺の曲げ」が日本塑性加工学会会長賞を受賞

株式会社 西野精器製作所

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画像:±0.02㎜の曲げ精度×21個のパーツを組み合わせ左:「日本塑性加工学会会長賞」を受賞した「俺の曲げ」(SUS304CP・板厚1.0㎜、1.5㎜、W340×D340×H90㎜)/右:「俺の曲げ」は21個のパーツで構成されている

「企業使命感4H」を制定

画像:±0.02㎜の曲げ精度×21個のパーツを組み合わせ西野信弘社長(中央)、大和田政博室長(左)、荻沼洋介主任(右)

㈱西野精器製作所は、1957年に西野信弘社長の父が水戸市内で医療機器の販売業を始め、1968年にプレス・板金加工を行う㈲西野精器製作所を設立、日立製作所東海工場から仕事を受注するようになった。

1971年に勝田市(現・ひたちなか市)馬渡に工場を移転、翌年から機械加工部門を新設し、1977年には株式改組した。1985年にはレーザマシンを導入し、設備合理化を推進していった。

東京大学を卒業後、大手総合商社に就職していた西野社長は、1981年、30歳で入社。創業から36年が経った1993年に、お客さまの課題にパートナーとして寄り添い、お客さまに選んでいただける価値ある企業であり続けるために「基礎加工技術の発信工場」を目標に掲げ、役目を社員と共有するため、「企業使命感 4H」―HEART(お客さまに対する誠意と真心)・HI-SPEED(手際よく、短納期で)・HAND-MADE(手づくり感覚を培っての高精度加工)・HI-TECH(時代の要求する先行技術)を制定した。

画像:±0.02㎜の曲げ精度×21個のパーツを組み合わせ「俺の曲げ」は、曲げ加工精度±0.02㎜という高精度で21個の箱が組み合わさっており、製品を逆さにしても落ちるまでに2~3秒かかる

常に新しい技術の習得に励む

西野社長は「モノづくりの世界は多様化し、変貌を続けています。当社はそうした環境のなかでも、人間の手だけがわかる感覚を大切にしつつ、納入する試作部品の一品一品を、大切に製作しています。最新設備の力も借りて社員一同、常に新しい技術の習得に励んでいます」と語る。

西野社長が2代目社長に就任した頃の得意先は日立製作所の関連企業が中心だったが、顧客開拓を続け、現在は主力得意先が30社、総数では100社以上、日立関連の売上は全体の30%程度になっている。

また、総合商社時代の経験とネットワークを活用して海外 ― 特に米国から直接仕事を受注するようになっている。

「以前から、カリフォルニア州アナハイムで毎年開催される世界最大級の医療機器の展示会に、JETRO(日本貿易振興機構)の支援を受け、出展していましたが、最近は当社独自のブースを出展しています。徐々に成果が見られるようになり、機械加工部品が多いのですが、何社かの海外企業との取引も始まりつつあります」(西野社長)。

画像:±0.02㎜の曲げ精度×21個のパーツを組み合わせ左:「俺の曲げ」の曲げ加工を行ったFMB-062/右:経験が浅い社員でも熟練作業者と同じように高精度な加工ができるEG-6013も2台同時期に導入した

会社情報

会社名
株式会社 西野精器製作所
代表取締役社長
西野 信弘
住所
茨城県ひたちなか市山崎56
電話
029-265-9595
設立
1968年
従業員数
75名
主要事業
精密板金、溶接、スタッド、プレス少量生産(カメラ・自動車・コネクタなど)、フライス、旋盤、複合切削加工、レ-ザ加工、ワイヤ放電加工、表面処理(外注)、設計、組立
URL
http://www.nisinoseiki.com/

つづきは本誌2018年6月号でご購読下さい。

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