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グローバル化が加速する鉄道ビジネスと板金

世界の鉄道市場で競争が一段と激化

2021年まで年率2.6%で成長、市場規模は24兆円に

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画像:世界の鉄道市場で競争が一段と激化

競争が激化する世界の鉄道市場

世界の鉄道市場では、鉄道車両メーカー各社の受注獲得に向けた動きが加速し、競争が一段と激しくなっている。

国では海外展開を見据え、2014年12月に中国国内の2社が合併、「中国中車」(CRRC)が誕生した。さらに昨年9月には、世界の鉄道車両メーカービッグ3の2社、シーメンス(ドイツ)アルストム(フランス)が鉄道事業の統合で合意。規模を大きくすることで競争力強化を進めている。

その一方で日本は、世界の鉄道ビジネスにおける存在感が薄れ、黄色信号が灯りつつある。

国交省が「海外展開戦略(鉄道)」をまとめる

こうしたなかで、国土交通省は昨年10月、「海外展開戦略(鉄道)」をまとめた。以下、この資料の内容を中心に、国内外の鉄道ビジネスの状況を紹介する。

「海外展開戦略(鉄道)」ではまず、日本の鉄道を取り巻く環境を分析、「輸送人員や車両及び車両部品の国内需要は比較的堅調であるが、今後の人口減少を見据えると大幅な需要の増加は見込めず」とした。

その一方で欧州鉄道産業連合(UNIFE)によれば、世界の鉄道市場はアジア・西欧・北米を中心に2021年まで年率2.6%で成長する見通し(グラフ)で、2019~2021年には年間約24兆円規模の市場になるとして、「海外における事業展開を促進し、世界の増大する需要を積極的に取り込むことが重要。これにより事業投資機会の拡大、我が国鉄道に係る技術・ノウハウの向上といった効果も期待できる」とした。

日本の鉄道の国際競争力に関しては、「安全性・定時性といったサービス品質の高さや、故障・欠陥の少なさ、納期遵守、低いライフサイクルコスト等に強み」があると分析する一方、「車両、機器、設備、インフラ等の要素ごとに、ノウハウを有する主体が細分化。特に高速鉄道案件では、川上から川下までの各段階におけるとりまとめに課題」があるとしている。

また、「増大する海外需要を取り込むためには、車両メーカーの生産能力、中でも設計能力の拡充が必要」とした。

画像:世界の鉄道市場で競争が一段と激化※出典:欧州鉄道産業連盟(UNIFE)「WORLD RAIL MARKET study」

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