新工場開設でシナジー加速 ― 600トンサーボプレスで差別化推進
プレス・金型・板金を融合した「ハイブリッド生産」を進化
株式会社 伊藤製作所
2025年10月に導入した600トン・ダブルクランクサーボプレスSWE-6040iⅢとレベラーフィーダーLCC06HF5。最大加圧能力を従来(300トン)の2倍に増強し、加工領域を拡大した
新工場を開設 ― 敷地面積2倍、生産性30%増
伊藤雄一社長と伊藤正義専務
自動車部品などの金属プレス加工を手がける㈱伊藤製作所は2025年5月、東大阪市内の加納工業団地内に新工場を開設した。
新工場は「第1工場」とし、「本社工場」の順送プレスラインと金型加工設備、2016年にM&Aで取得した仲井金属㈱のプレス・金型加工設備、両工場の現業メンバーを集約した。これで同社の生産拠点は、本社機能のほか単発プレス加工・組立・検査・物流倉庫の機能を持つ「本社工場」、金型設計・製作と順送プレス加工を手がける「第1工場」、板金加工などを手がける「第2工場」の3カ所になった。
「第1工場」は切削加工企業が保有していた工場を取得し、全面的に改修した。「本社工場」から車で20分ほど、「第2工場」からは5分以内で、工業団地内にあるため騒音問題とも無縁の好立地。総投資額は土地・建物・設備を含め約10億円。敷地面積は約1,000㎡で、同社が保有する総敷地面積は約2倍になった。
同社は2023年以来、「プレス」「金型」「板金」の技術・ノウハウを融合した「ハイブリッド生産」を強みとして展開している。今回の「第1工場」開設により「プレス」「金型」を集約し、「板金」の近隣に配置することで、各工程の連携とシナジー創出を加速させる。
伊藤正義専務は「生産効率は体感で30%以上改善しました。ある程度余裕を持たせて生産スケジュールを作成していますが、それを上まわるペースで生産が進んでいます。これまでも自動箱替え装置や油噴射機などを内製して効率化を進めてきましたが、それに加えて材料交換・金型交換といった段取りのロスが減り、金型修正の待ち時間がなくなったことで、機械稼働率が改善しました」と投資効果を語る。
伊藤雄一社長は「伊藤製作所と仲井金属の製造機能を集約したことで一体感が生まれ、協力し合いながらものづくりができる環境が整いました。また、『本社工場』は東大阪市内の準工業地域にあり、今は周辺に住宅がないため特にトラブルはありませんが、今後はどうなるかわかりません。『第1工場』は事業の継続性を確保する観点からも、重要な投資と位置づけています」と語っている。
左:2015年と2018年に導入したSDEW-3025(300トン)などサーボプレス順送ラインが並ぶ/右:東大阪市内の加納工業団地内に新設した「第1工場」
600トンサーボプレスを導入 ― 加工領域を拡大
2025年10月には600トン・ダブルクランクサーボプレスSWE-6040iⅢを、レベラーフィーダーLCC06HF5(板幅50~600㎜、板厚0.3~4.5㎜)とともに導入した。同社にとって5台目のサーボプレス順送ラインで、「新工場」の計画もSWE-6040iⅢの導入を前提に進めてきた。これにより最大加圧能力を従来(300トン)の2倍に増強し、厚板・長尺・幅広の製品への対応力を高めた。また、2,450×1,250㎜のスライドエリアを生かして取り数を最適化し、生産効率も改善する。600トンのプレス機に対応する金型の設計・製造・外販も展開する計画だ。
同社は現在、主力得意先である大手自動車部品メーカーから受注する自動車用コントロールケーブルの取付金具が、売上全体の約90%を占めている。レバー操作などの力と変位を伝達する自動車用コントロールケーブルは、自動車の電動化・デジタル化にともない、1台あたりの必要数量の減少が見込まれる。そのため600トンサーボプレスの導入により加工領域を広げ、自動車向けドアシステム部品など、従来は対応できなかった厚板・長尺・幅広の製品を取り込む狙いがある。
「第2工場」の板金加工設備。プレス・金型・板金の技術・ノウハウを融合した「ハイブリッド生産」を展開している
自動車用コントロールケーブルの取付金具の自動組立ライン。自動箱替え装置や油噴射機械もすべて内製している
会社情報
- 会社名
- 株式会社 伊藤製作所
- 代表取締役
- 伊藤 雄一
- 本社・工場
- 大阪府東大阪市稲田新町3-8-25
- 第1工場
- 大阪府東大阪市加納4-15-22
- 第2工場
- 大阪府東大阪市加納3-14-12
- 電話
- 06-6745-8825(本社)
- 設立
- 2004年(1967年創業)
- 従業員数
- 36名
- 主要事業
- 自動車部品、マンションファサード(外壁パネル)、建築・内装・リノベーション部品などのプレス加工、金型設計製作、板金加工
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