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「JAPAN PACK 2025」開催

メーカーの垣根を越えたDXが進む包装業界

「自動化」「省エネ」「食品ロス削減」などに貢献する製品が数多く出展

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包装業界の課題解決にIoT技術を活用

画像:メーカーの垣根を越えたDXが進む包装業界包装システムのIoT標準「JPack-Fmt」で6社の機械データを統一させた

「JAPAN PACK 2025」(日本包装産業展)が10月7~10日の4日間、東京ビッグサイトで開催された。主催は一般社団法人日本包装機械工業会。出展者数は前回(2023年)比36%増の572社・団体。来場者数は同2.5%減の3万3,464名となった。

同展は2年に1回開催され、国内外の包装機械、包装資材、包装材料加工機械などの新製品を展示公開する。今回は特別企画「包装×DX」「包装×GX」、「IoT特別展示コーナー」を含め、最新技術を用いることで、人手不足や生産性向上、食品ロスやプラスチックの削減など、包装業界全体を取り巻く課題の解決を目指す展示が多く見られた。

中でも着目したいのは、「IoT特別展示コーナー」で展示された包装システムのIoT標準「JPack-Fmt」だ。包装機メーカーごとの仕様だった機械データを統一フォーマットで一括表示することで、生産工場の全体最適化を実現。さらに、従来は包装機メーカー各社で異なっていた用語を共通化し、生産現場の意思決定スピードを飛躍的に向上させる。会場では「異なる機械、言葉は揃う」をテーマに大森機械工業、京都製作所、イシダ、協和電機、川島製作所、ゼネラルパッカーの6社の包装機械が、「JPack-Fmt」に基づく共通言語でつながる様子をダッシュボードで表示した。

ゼネラルパッカーが「アワード大賞」を受賞

独創性、安全衛生性、省エネなどに優れた包装機械・関連機器などを表彰する「JAPAN PACK AWARDS」には、アワード大賞1社、カテゴリー最優秀賞2社などが選ばれた。

「アワード大賞」はゼネラルパッカーのロータリー式給袋充填機「Smart Set Packer」が受賞した。包材の構成・厚みに応じた最適なシール条件を自動算出する機能により設定ミスを防ぐとともに、袋サイズやパーツ位置の設定をボタン1つで切り替えできる機能により、段取り時間を短縮し、作業者の負担を軽減できるとPRした。

川島製作所のモジュール型横ピロー包装機「KBF-7000MX」は優秀賞を受賞した。従来の包装機は製品や包材の仕様が変更されるたびに機械全体を買い替える必要があった。しかしKBF-MXの場合、機械はそのまま、機能モジュールを交換・追加するだけで対応可能となる。会場でもモジュールちがいで3種類の自動化ラインが展示された。

大森機械工業の「エシカル包装ライン」も優秀賞を受賞した。被舗装品の自動供給に加え、ピロー包装機からカートナーまでの連動ラインにおいて包装資材の供給を自動化し、オペレータの負担を軽減しつつ、長時間の連続運転も可能となった。会場では包装機器12台と1ラインによる資材供給から箱づめまでのデモンストレーションが行われた。

画像:メーカーの垣根を越えたDXが進む包装業界左:ゼネラルパッカーのロータリー式給袋充填機が「JAPAN PACK AWARDS」の「アワード大賞」を受賞/右:川島製作所はモジュール型横ピロー包装機「KBF-7000MX」を出展

「包装×DX」により作業者の負担を軽減

特別企画「包装×DX」では「生産性向上」「リモートメンテナンス」「人手不足解消」「属人化解消・技術伝承」の4つのカテゴリーによる課題解決事例が紹介された。

イシダは、IoTシステム「Cloud Owl」など、包装工程のコスト課題解決に向けた製品を提案。「袋抜き取り検査システム」は、抜き取り検査に対応したシステムで、重さ・厚みなど測定内容は測定器との連携で自動化。検査結果はサマリーと詳細画面で閲覧できるとした。

トパックは、超高速三方シール充填包装機「RF-66JA型」にオムロンと共同開発した設備稼働管理システムを搭載。リアルタイムに状況を把握し、稼働率や不良率などのデータを分析することで、問題発生時にも迅速かつ的確な対応ができ、生産性向上に期待できるとした。

  • 画像:メーカーの垣根を越えたDXが進む包装業界イシダは生産ライン全体の見える化など、包装工程のコスト課題に向けた幅広い製品を提案
  • 画像:メーカーの垣根を越えたDXが進む包装業界トパックはオムロンと共同開発した設備稼働管理システムを搭載した超高速三方シール充填包装機を出展

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