テーマは「Think Basic(原点思考)」 ― 設備力と高い技術力が強み
新本社工場にENSIS-AJ、HG-ATCなどを設備
株式会社 ケイテイエフ
6kWファイバーレーザ発振器を搭載したENSIS-4020AJ+ASFH-4020G+TK-3015L
42歳で前職を退社し、会社を設立
左から奥田孝太専務、奥田忠男社長、猪飼隆広常務
㈱ケイテイエフは道路表示板の筐体、厨房機器のカバー類・照明器具・医療用器具・鉄道車両・半導体洗浄装置・食品機械などの手のひらサイズから3mを超える大型までの板金部品を製作している。社名の「ケイテイエフ」は京都(Kyoto)の寺田(Terada)にある精密板金工場(Factory)に因んでいる。
同社のものづくりは、最新設備と熟練スタッフの融合がもたらす精密さが最大の特徴。抜き・曲げ・溶接までの一貫生産はもちろん、試作から量産、短納期対応、個人的なオーダーにまで向き合うフットワークの軽さを兼ね備えている。
取引企業数は183社で、毎月定期的に発注がある得意先が20~25社、うち12~13社で売上の70~80%を占め、1社あたりの売上比率は10%以下におさえている。長年手がけている高速道路の表示板などは、部品が外れると重大事故になるため、特に強固な溶接加工を行い、得意先の信頼を得ている。
奥田忠男社長は、情報表示システム関連の会社を42歳で退社。「不惑」の40歳を過ぎて「一国一城」の主となることを決意し、夫人や周りの人々を説得して1992年4月に同社を設立した。奥田社長の決意を以前の勤め先も応援、道路表示器の仕事を発注してくれた。その仕事をベースに徐々に得意先を開拓、「品質の維持向上とサービス徹底こそがお客さまの満足を生み出す」を基本理念に事業を拡大。1995年と2003年には第2工場、第3工場、第4工場を増設した。
左:2019年に完成した新本社工場。敷地面積1,400坪、床面積1,000坪で2階建て構造となっている/右:ENSIS-AJのNC装置AMNC 3iを操作する
「Think Basic(原点思考)」がテーマ
奥田社長は「Think Basic(原点思考)のテーマをもとに多品種少量生産品や量産品、試作品、0.5㎜の薄板から12、16、19㎜といった厚板まで対応することで、半導体洗浄装置から駅の自動改札機、新幹線車両の内壁、高速道路の電光表示板、業務用厨房機器など、対応商品を増やしてきました。要求精度がきびしい半導体洗浄装置や自動改札機の筐体などは高い技術力で対応し、耐久性が求められる高速道路の電光表示板などは溶接技術が強固だからこそ実現できます。信頼性と精度追求のため、最先端の設備を導入するとともに、それらを効率よく運用できる人材を育ててきました」。
「さらに、当社は独自のリアルタイム生産管理システムを構築し、板金加工ノウハウをデジタル化して社有化・データ化するためのネットワークづくりにも早くから取り組んできました」。
「創業25年で年商は10億円を突破、2025年までには15億円を達成したい」と、同社の軌跡と今後の計画を語る。
自動金型交換装置を装備したベンディングマシンHG-2204ATC
強固な溶接で定評がある溶接工程
会社情報
- 会社名
- 株式会社 ケイテイエフ
- 代表取締役
- 奥田 忠男
- 所在地
- 京都府城陽市久世荒内335
京都府城陽市奈島下ノ畔26-1(第2工場)
- 電話
- 0774-56-0039
- 設立
- 1992年
- 従業員数
- 73名(高度外国人材8名を含む)
- 主要製品
- 高速道路照明・制御盤・半導体洗浄装置・液晶部品・鉄道車両関連部品、業務用厨房機器など
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