板金論壇

危機をチャンスに変える経営者の度量

『Sheetmetal ましん&そふと』編集主幹 石川 紀夫

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猛威を振るう新型コロナウイルス

3月上旬の今、新型コロナウイルスの感染が世界経済にも大きく影を落としています。株価は乱高下し、実体経済では世界の製造基地である中国での感染拡大により工場の操業が停止するなど、世界的にサプライチェーンが滞るようになってきました。

マスクの多くが中国で製造されているため、日本国内にも品薄感があり、医療従事者でさえもマスクが不足する事態になっています。マスクのみならずトイレットペーパーまで、一部の人々による買い占めが起こっています。政府は、トイレットペーパーは国産で、多くの工場があり、あせって買い占めることは控えてほしいと警鐘を鳴らしています。

日本でも日を追うごとに感染者が増え、最近ではクラスター感染によって感染リスクも高まっています。政府は3月2日から全国の小・中学校、高等学校を臨時休校とし、不特定多数が参加する催し物の開催自粛を要請しています。企業には経団連を通じて在宅勤務、テレワーク、時差出勤による人口の集中緩和を呼びかけています。さらに、感染拡大を防止する「緊急事態宣言」を発動できる法律改正も行われました。

経済にも下振れリスクが高まる

春節前に中国で感染が拡大したことで、1月末以降、中国・台湾をはじめとした外国人旅行者が大きく減少しています。国内旅行や出張を取りやめる人も増加し、国内の宿泊施設や公共交通機関の利用者も大きく減少しています。

春節に大挙して訪れる中国人旅行者を受け入れていた九州の旅館では、キャンセルが相次ぎ、倒産の危機をむかえているというニュースも流れました。観光地やイベント会場などの土産物店やグッズ販売店なども、もろに被害を受け、遊園地などの休園も相次いでいます。

国内外に出かける機会が多い筆者は、騒動が収束するまで海外出張を取りやめましたが、国内出張に関してはアポ先との約束もあり、通常営業です。ただ、相手から「日程を少し延ばしてほしい」と要望があれば、最優先でお聞きして調整しています。月刊誌の宿命ですが、行けるところがないからといって「今号はつまらなかった」という評価だけはご免こうむりたいので、鋭意、相手のご理解を得ながら、予定どおりの取材活動を続けています。

旧知の新聞記者からは「他人と接触する機会が多い記者の方々との面談取材は中止した。電話取材に限って対応する」といった要請が出始めていると聞かされ、私たちも覚悟する必要が出てきています。

つづきは本誌2020年4月号でご購読下さい。

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