板金論壇

深みと広がりをみせる医工連携/板金サプライヤーにもチャンス

『Sheetmetal ましん&そふと』編集主幹 石川 紀夫

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医療機器は成長産業のひとつ

新しい医療機器や医療技術の研究を加速することを目的として、医学界と工学関係者が連携して研究開発を行う「医工連携」が最近話題となっている。

安倍政権が掲げる日本の成長戦略では、医療機器が成長産業のひとつと位置づけられている。2016年6月に閣議決定された「日本再興戦略2016」において医療機器産業は、新興国を中心に拡大するグローバル市場の獲得を図ることが目標とされ、医療機器を含む日本の医療技術・サービスで2030年までに5兆円(2013年時点では6,600億円)の海外市場を獲得することを目指している。

医療機器産業の海外進出に向けた環境整備の一環として、2014年には改正薬事法(医薬品医療機器等法)が施行され、医療用ソフトの規制対象化への対応、規制外医療用ソフトの業界自主ルールづくりも着々と進んでいる。

2017年の世界の医療機器市場は約37兆円

医療機器の世界市場は、先進国での高齢化や新興国での医療需要拡大を受け、年平均5%超の成長率を維持するとされている。2016年の世界の医療機器市場の規模は3,362億ドル(約37兆円、1ドル110円換算)。このうち日本市場は281億ドル(約3.1兆円)を占め、今後も2021年まで年平均成長率3.0%程度で拡大するとされている。

ところが、国内の医療機器市場は2016年の実績で輸入超過額が8,000億円に達し、今後も拡大する見込み。血液検査装置や画像診断装置といった体外で用いる比較的リスクが低い医療機器は国内メーカーの国際競争力が高く、貿易黒字になっているが、コンタクトレンズや人工関節、ステントといった体内に入れるハイリスクの医療機器は、輸入に大きく依存している。こうした状況を打開するためにも、医工連携によって日本発の医療機器や医療技術の開発を促進し、海外市場を積極的に開拓することが考えられている。

つづきは本誌2018年3月号でご購読下さい。

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