「見える設計」で変わる現場 3次元CAD活用最前線

なぜ今、3次元CADなのか ― 見えない設計の限界を超える第一歩

H-ENG 代表 林 義人

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この連載について

本連載では、板金業界において今後ますます重要となる「3D設計」の活用方法を、現場目線でお届けしていきます。

対象は、経営者・工場管理者・設計実務者。特にこれから3D CADを導入したい方、導入したものの活用しきれていない方、また2D CADで十分と考えている方へ向けて、6回シリーズでお届けします。

主に3次元ソリッド板金CAD「SheetWorks」に焦点を当て、2次元設計では得られなかった効果 ― 現場との共通理解、ミスの削減、教育や調達の効率化などを具体例とともに紹介します。

単なるCADテクニックではなく、製造業全体の効率化につながる「伝わる設計」の力を、ぜひ感じていただければと思います。

2Dから3Dへ、なぜ今「変える」必要があるのか

これまで多くの板金企業では、2D CADでの設計が主流でした。中でもアマダの2次元CAD/CAM「AP100」は長年業界の中心的ツールでしたが、すでに販売は終了しており、代替環境への移行が避けられない状況です。

推奨されている後継ソフト「SheetWorks」は、3Dベースの設計ツールでありながら、2025年時点での国内導入率はわずか35%。現場の混乱や教育への不安から、導入に踏み切れない企業も多く見られます。

しかし、現実には製品の多様化、複雑形状や短納期への対応が求められ、2D図面だけでは「伝わらない・間違う・間に合わない」といった課題が顕在化しています。

今こそ、3Dを「業務の当たり前」にする転換期が訪れているのです。

「見ればわかる」設計が現場のミスを防ぐ

2D図面は、図面を読む力 ― いわば「脳内3D変換力」に頼る設計手法です(図)。つまり、関係者全員に脳内変換するスキルが必要です。

画像:なぜ今、3次元CADなのか ― 見えない設計の限界を超える第一歩図:2D図面は「脳内3D変換力」が必要―3Dモデルは誰でも直感的・視覚的に理解できる

特に曲げ方向や溶接位置などは、設計者と作業者の認識のズレが起こりやすく、「言われたとおりにつくったのに、できてみたらちがっていた」というトラブルにつながります。

一方、3Dモデルであれば、直感的に形状を理解できます。私の顧問先の工場では、作業者がタブレット端末で3Dモデルを確認できるようにしたところ、組立ミスが激減しました。言葉や寸法で説明するよりも、「見せた方が早い」状態が実現しました。

さらに、現場だけでなく営業や顧客との打ち合わせでも、3Dで共有することで手戻りや誤解を防ぐことができます。社内外すべての関係者が同じ情報を「視覚的」に理解できる ― これが3次元設計の大きな力です。

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つづきは本誌2026年2月号でご購読下さい。

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