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「2026国際ウエルディングショー」開催

「フィジカルAI」「AIエージェント」を活用した溶接作業の自律化ソリューションに注目

熟練技能者の減少を踏まえ、一品一様・多品種少量・長尺製品へ向けた提案が活発

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AI・ロボティクスの進化に注目

「2026国際ウエルディングショー」が9月16日から19日までの4日間、東京ビッグサイト西展示棟で開催された。主催は一般社団法人日本溶接協会と産報出版㈱。同展は溶接・接合・切断技術に関する国内最大級の専門展示会で、東京と大阪で隔年開催され、今回は4年ぶりの東京開催となった。会期中の来場者数は、前回東京開催(2022年)から9.4%減少し、延べ9万869名だった。そのうち3,191名が海外からの来場者だった。

溶接工程は、年々深刻化する人材不足と熟練技能者の減少が課題となっている。量産の領域では早くからロボット化が進められてきたが、一品一様や多品種少量生産の現場ではティーチングやプログラム補正の手間、熟練技能者ならではの感覚的な微調整の再現などが自動化の障害となっていた。

こうした状況を踏まえ、今回のウエルディングショーは「未来をつむぐウエルディング・トランスフォーメーション」をテーマに開催された。会場では、AI・ロボティクス、フィジカルAIといった最先端のテクノロジーを採り入れた「溶接作業の自律化」や「ティーチング工数の削減」に注目が集まり、小ロット生産や長尺製品の溶接作業を自動化する提案も多く見られた。

その一方で、コモディティー化が進むハンディファイバーレーザ溶接機は、主に中国製のレーザ発振器を搭載した低価格商品が多数出展され、好対照な展示となった。

画像:「フィジカルAI」「AIエージェント」を活用した溶接作業の自律化ソリューションに注目ファナックは「AI溶接エージェント」によるアーク溶接の実演を行った(左)。タブレットTPの内蔵カメラで部品の紙図面を撮影すると(右)、Googleの生成AI「Gemini Enterprise」が図面の情報を読み取ってプログラムを自動生成する

紙図面を理解する「AI溶接エージェント」

ファナックは、2026年12月末から出荷を開始する「AI溶接エージェント」を披露した。協働ロボット「CRX」のタブレットTP(ティーチングペンダント)の内蔵カメラで部品の紙図面を撮影すると、Googleの生成AI「Gemini Enterprise」が製品形状・溶接長・脚長・材質・板厚などの情報を理解し、電流・電圧などの溶接条件とロボットの動作プログラムを自動生成する。オペレータは、生成された溶接条件や動作プログラムを確認し、修正できる。実演では自動生成されたプログラムをそのまま実行し、ロボットが仮付け・本溶接まで完了させた。

タブレットTPの内蔵カメラを使用するため、図面読み取り用のカメラや専用デバイスを新たに追加する必要はない。「AI溶接エージェント」が読み取る部品図面などのデータは「Gemini Enterprise」の高度なセキュリティ機能で保護され、別ユーザーのAI学習に流用されることもない。

ファナックは「AI溶接エージェント」を「世界の溶接作業者不足を最新のAI技術で補う新商品」と位置づけており、「一品一様の溶接を手がける建築分野からの問い合わせが多い」(ブース担当者)としている。

熟練工の手技を再現する「AIアーク溶接ロボット」

安川電機は、熟練工の「技」を再現するAIアーク溶接ロボットを参考出展した。フィジカルAI搭載ロボット「MOTOMAN NEXT-NHC12」が溶接を行いながら、ロボット先端のカメラで溶融池のサイズ・形状をリアルタイムで観察。ロボットコントローラー「YNX1000」に内蔵された自律制御ユニット「ACU」が画像処理を行い、溶接実行速度・ウィービング条件・狙い位置などを自動補正する。

実演で使用したワークは、板厚12㎜のレ型開先の試験片で、ランダムにギャップが設けられていた。従来のティーチングプレイバック方式では、ギャップが大きい部分でビード幅が狭くなるが、溶融池を観察しながら自動補正を行うことにより、一定のビード幅で溶接が完了した。安川電機は「これまで熟練工に依存し、自動化が進まなかった領域でも、最適なロボットソリューションを提案していく」としている。

また、人協働ロボットとエンコーダーを搭載した台車を用いて、移動しながら溶接を繰り返すことで、熟練作業者でなくても長尺ワークの溶接が行えるソリューションも提案した。

  • 画像:「フィジカルAI」「AIエージェント」を活用した溶接作業の自律化ソリューションに注目安川電機は、熟練工の手技を再現するAIアーク溶接ロボットを参考出展した
  • 画像:「フィジカルAI」「AIエージェント」を活用した溶接作業の自律化ソリューションに注目溶融池の状態を観察しながらトーチの動作を自動調整し、最適なビード幅で溶接を行った加工サンプル(下)

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