第38回 優秀板金製品技能フェア 優秀作品紹介
板金素材の可能性を広げることに挑戦 ― 2回連続、親子2代で大臣賞受賞を達成
「無限螺旋階段」が「厚生労働大臣賞」を受賞
株式会社 MMR技研
「厚生労働大臣賞」を受賞した ㈱MMR技研の「無限螺旋階段」(SUS304・板厚1.5㎜、W125×D125×H270㎜)
熟練した設計と加工技術を評価
左からレーザ加工担当の田宮真人さん、西田元昭社長、西田庄吾専務、西田有希さん
「第38回優秀板金製品技能フェア」(以下、板金フェア)の「単体品の部」に出品した㈱MMR技研の「無限螺旋階段」が、最高度な熟練技能・手法を用い、品質・精度のきわめて高い作品に贈られる「厚生労働大臣賞」を受賞した。同社の同賞受賞は前回に続き2回連続となる。
この作品は内側の螺旋階段と、それを支える外側の枠の2部品で構成されており、枠と螺旋階段は溶接を行わずに組み合わせられている。螺旋階段の部分はSUS304・板厚1.5㎜の一枚板から切り出し、手やラジオペンチを使った手曲げにより立体形状にしている。螺旋階段には手すりが付いており、1階から2回転しながら上段へ上り、そこからまた2回転して1階へ戻る二重螺旋階段となっている。2つの螺旋階段は途切れることなく5階までつながっており、切れ目のない螺旋構造を描いている。
この螺旋階段は1枚の展開から製作されているが、完成作品から展開図の形状と加工方法を想像するのは容易ではない。また、枠においても1枚の展開図から製作されており、その設計や加工技術も非常に高度なものとなっている。製品から展開図を構想し設計する技術に優れ、最高度な熟練技能・手法を用いた作品として評価された。
左:螺旋階段の展開図(部分)/右:切断されたブランク材(実験用に部分的に切り出したもの)
窒素ガス発生装置を中心に単品受注に対応
MMR技研は、長年板金加工に携わってきた西田元昭社長が2008年に独立して創業した。近年、板金工場でも設備の自動化やロボット化により「誰でもできる」仕組みづくりが進んでいるが、「誰でもできる仕事であれば、日本でつくる必要はない。安くて良いものができるのであれば、ものづくりはどんどん海外へ移っていってしまう。しかし、新しい技術を生み出すためには、必ず高い技術・技能が必要になる」「それならば自分が培ってきた技術・技能を、これからの日本のものづくりを支える若い作業者たちに伝えていきたい」と思ったことが創業のきっかけになったという。
以来、得意先の課題を丁寧にヒアリングしながら、最適な設計とものづくりを行うことで、得意先に喜ばれる製品を提供してきた。板金の試作品や設計 ― 特に小ロットの受注生産を得意とし、大手企業と装置を共同開発した実績も多い。第二種圧力容器の設計(強度計算)・製造による窒素ガス発生装置をはじめ、重工業や生産設備の板金系の設計を含めた筐体や安全カバーなどさまざまな提案を行い、各種機械装置、安全カバー、モニュメント、装飾品、機能部品、機械板金などの金属加工全般を手がけてきた。
最近では寸法ちがいなどロット1個の単品受注品の割合が全体の半数ちかくまで増えている。大阪・関西万博をはじめとしたイベント関連や、アミューズメントパーク向けも年間4件ほど受注している。そうした仕事は社員も完成品を家族と一緒に見にいくことができるため、仕事へのやりがいや誇りにもつながっているという。中東情勢の影響による資材不足などの懸念事項もあるが、今後は主力製品の窒素ガス発生装置関係を中心にさらに強化していきたいと考えている。
左:材料を切断したファイバーレーザマシンVENTIS-3015AJe/右:ラジオペンチで曲げ加工する
会社情報
- 会社名
- 株式会社 MMR 技研
- 代表取締役社長
- 西田 元昭
- 本社(忠岡工場)
- 大阪府泉北郡忠岡町馬瀬3-12-10
- 和泉工場
- 大阪府和泉市和気町1-32-3
- 電話
- 0725-58-8844(和泉工場)
- 設立
- 2011年(2008年創業)
- 従業員数
- 13名(役員、パート従業員を含む)
- 主要事業
- 機械設計、板金設計、大手企業と装置の共同開発、第二種圧力容器の設計(強度計算)、重工業や生産設備(FA)の筐体や安全カバーなどを製作
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