特集

自動金型交換による曲げ工程の自動化・スキルレス化

段取り短縮・品質安定化・属人化解消 ― 板金工場の経営課題を改善するEGB-ATCe

独自の技能等級制度で作業の職務分掌を定め、社員のモチベーションアップをはかる

株式会社 深沢製作所

LINEで送る
Pocket

画像:段取り短縮・品質安定化・属人化解消 ― 板金工場の経営課題を改善するEGB-ATCe曲げ工程のボトルネック解消にも貢献した2024年導入の自動金型交換装置付きベンディングマシンEGB-1303ATCe

放送機器・AVC機器のサプライヤーでスタート

画像:段取り短縮・品質安定化・属人化解消 ― 板金工場の経営課題を改善するEGB-ATCe自社商品のショッピングカート除菌ロボット「NWK-7000」(手前)の後ろに立つ高須充社長(左)、長谷川範夫開発部長(中央)、山口博志営業部長(右)

㈱深沢製作所は1968年、東京都世田谷区で設立した。当初より情報機器・放送機器・AVC機器などのトップメーカーの協力会社として試作、量産を手がけてきた。1988年に神奈川県秦野市内に神奈川工場を建設、工場を移転した。

当時売上の大半を占めていた得意先は、ITバブル崩壊後から急速にグローバル化を進め、設計・開発部門と製造部門を丸ごと海外へシフトする大胆なリエンジニアリングで地産地消・文化圏設計を進め、サプライヤーの再編、部材調達の国際化による「最適調達」が進んだ。発注・図面情報のネットワーク化に積極的に取り組み、3次元CADによるものづくりと、インターネットを活用した電子受発注(EDI、WEB)システムの導入を進めた。

そうした中、得意先のQ,C,Dを担保するため、2007年に神奈川県足柄上郡に神奈川工場を移転、工場面積は一気に3倍に広がった。さらに3次元CADを導入し、得意先と共通のプラットフォームを構築、設計提案にも注力していった。

また、社員のスキルアップに取り組み、加工、組立、検査などの工程内作業が正確に行えるスキルを身につけるための社員教育を進めるとともに、社員のモチベーションアップをはかるための取り組みを行うようになった。

社員教育でスキルアップに取り組む

同社は創業者の「社員には生涯健康でいてほしい」という願いから、以前から有機野菜や無添加にこだわった昼食や残業食を社員に提供してきた。「社員のモチベーション向上も健康な体があってこそ」という前提に立ち、職人から技術者に、そして管理者になる人材を育むことを目標としてきた。

2018年に3代目となった高須充社長は2代目・栗原正雄氏から経営のバトンを受け取ると、これまでの取り組みを深化させていった。2022年には「社員専用スポーツジム」を開設し、有酸素マシンや筋力トレーニング、ランニングマシンなどを設置、昼休みや終業後に自由に利用できるようにした。ランニングでは100円/㎞が支給され、体調がすぐれない社員が落ち着いて休めるマッサージチェアも3台設置した。

「当社が目指している企業像のひとつが『社員とその家族が心身ともに健康で長生きのサポートをする会社』です。そのため社員食堂やジムを充実させてきました。当社では出社した社員はタイムレコーダーに出勤(7~10時まで自由出社)を入力した後、当日の心身の状態がどの程度かを表す『健康管理ボード』に色ちがいのマグネットで表示します。作業者の健康状態により作業内容を変えることで、品質のバラツキ発生をおさえています」(高須社長)。

  • 画像:段取り短縮・品質安定化・属人化解消 ― 板金工場の経営課題を改善するEGB-ATCe曲げ加工用CAM VPSS 4ie BEND
  • 画像:段取り短縮・品質安定化・属人化解消 ― 板金工場の経営課題を改善するEGB-ATCe職務分掌にしたがって4人の作業者で行う仕組みを構築している曲げ工程

技能等級制度で作業の職務分掌を決める

「工程作業の分析も長年続けてきた当社独自の取り組みです。たとえば曲げ工程は金型取り付け、寸法調整、加工開始承認、曲げ加工、全数検査で品質を確認し、結果を承認する4つに分類する ― といった以前は作業者1人で行っていた工程を4人で行うようにしました。作業を分業するため、7~1級まで細分化した当社独自の技能等級制度で、職務職能を決め、等級が1級上がると1点付加され、職務給が1,000円ずつ加算される職務職能給を導入しています」。

「これによって、各作業者のスキルレベルに応じた適切な業務配分を行うことができ、ベテラン職人に依存しない生産体制を構築。女性社員の活用も進み、製造現場では社員の40%が女性になっています。等級の取得は自己申告か上長の判断で、職場単位で資格試験を行っています」(高須社長)。

  • 画像:段取り短縮・品質安定化・属人化解消 ― 板金工場の経営課題を改善するEGB-ATCe工程内検査・出荷検査は工場中央に設置された5台の画像検査装置やスキャナー、3次元画像検査装置で測定する
  • 画像:段取り短縮・品質安定化・属人化解消 ― 板金工場の経営課題を改善するEGB-ATCe珈琲豆の業務用焙煎機「珈琲焙煎機」

会社情報

会社名
株式会社 深沢製作所
代表取締役社長
高須 充
本社
東京都世田谷区深沢4-19-7
神奈川工場
神奈川県足柄上郡中井町境7-1
電話
0465-80-1588(神奈川工場)
設立
1968年
従業員数
60名
主要事業
情報機器・放送機器・AVC機器・医療機器・半導体製造装置・蓄電機器・エネルギー機器・ロボットなどの試作/試作から量産までの一貫製作、板金設計、設計支援/除菌ロボットなど自社製品の開発・製造
URL
https://fukasawa-ss.jp/

つづきは本誌2026年3月号でご購読下さい。

LINEで送る
Pocket

関連記事

特集記事一覧はこちらから