DX推進、垣根のないコミュニケーションで、多様な人材が働きやすい会社を目指す
9カ国32名の外国人材が活躍するダイバーシティ企業
協和プレス工業 株式会社 管理部部長 野村 侑加さん
左からメタゼンプーさん、ヒンターさん、野村侑加さん
30年前から外国人材の雇用に注力
野村壮吾社長
少子高齢化による影響は各所で表れている。協和プレス工業㈱のある和歌山県ではこの10年で人口が9.5万人減少。また交通の便が発達したことなどにより若手人材が大阪などの都市部に流れやすい状況となった。
そのような中、同社は約30年にわたり、外国人材の雇用に力を入れてきた。現在、同社で働く外国人材は「技能実習生」が1名、「特定技能者」が15名(1号12名、2号3名)、「技術・人文知識・国際業務」(技人国)が12名、日本人の配偶者が3名、永住権所有者が1名の計32名。出身国もフィリピン、タイ、ベトナム、モンゴル、インドネシア、ミャンマー、ウズベキスタン、スリランカ、中国とさまざまな人材が、国や性別、宗教などのちがいによる垣根を持たずに働いている。
そうした外国人材の面接から在留資格の申請・更新、サポートまでを担っているのが、管理部部長の野村侑加さんだ。
侑加さんは「当社ではダイバーシティ経営を推進しています。年齢・性別・国籍・障害の有無に関わらず、多様な人材がそれぞれの能力を最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションの創出や価値創造につなげていきたい。今はまだ採用分野でしか海外とのつながりはありませんが、せっかく9カ国から人材が来てくれているので、ゆくゆくは取引や連携も含め、さまざまなかたちで国際的なつながりをつくっていきたい」と今後への意欲を語っている。
本社工場の様子。事務所・現場ともに多くの外国人材が活躍している
自動金型交換装置付きベンディングマシンHG-1003ATCは女性社員が担当している
入社から7年後、経営について学ぶことを決意
侑加さんは自身の入社した経緯について「大学生のときに父(野村壮吾社長)から入社を打診されたことがきっかけです。当時はリーマンショック後の就職難だったので、『これでもう就職活動しなくてもいい』といった軽い気持ちからはじまりました」と振り返る。
入社後は生産管理、プログラム、パンチプレスのオペレーター、経理などの業務を行った。しかし5年後、語学への情熱が忘れられず1年半の休職を申請し、カナダで語学研修とワーキングホリデーを行った。ワーキングホリデー先は金属加工機メーカーで「仕事を休ませてもらってやるからには絶対にムダにしない」と強い決意で、業務に励んだという。
2015年に帰国してからは、総務・経理などの事務全般を任されるようになった。また、和歌山県がグローバル人材の育成を目指して開催している「和歌山塾」をはじめ、さまざまな社外研修や交流会に参加し、研鑽を積んでいった。
そんな最中の2016年1月、母親から「お父さんが話あるらしいから、お正月に帰っておいで」というメッセージが届いた。話の内容は侑加さんの今後についてのものだった。
「当時は経営どころか、自社についても理解していない状態でした。仕事に対する姿勢も言われたことをこなすだけで、次の段階を考えられない。そのため、あまりやりがいも感じられませんでした。悩みましたが、両親と話をしていく中で、将来的に会社を経営することも見据えてしっかりと学び、仕事に就くことも楽しいだろう。その流れの中で自身のやりたいことにもつなげていけたらと考えが変わっていき、経営について真面目に学んでみようと決心しました」(侑加さん)。
vLot Navi操作方法を社員に説明する侑加さん
社内報「KYOWA TIMES」は、女性中心の編集チームで毎月1回発行している
会社情報
- 会社名
- 協和プレス工業 株式会社
- 代表取締役社長
- 野村 壮吾
- 本社工場
- 和歌山県紀の川市長田中345-7
- 電話
- 0736-73-3211
- 設立
- 1963年
- 従業員数
- 100名(外国人材も含む)
- 主要製品
- 業務用空調機用板金・プレス部品、工作機械用カバー板金部品、通信機器用精密板金・プレス部品、極薄板NCプレス加工品
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