技術振興
天田財団、2021年度助成式典を開催
2021年度前期助成は82件・2億3,231万円
公益財団法人天田財団は2021年11月27日、日比谷図書文化館の日比谷コンベンションホールで「2021年度天田財団助成式典」を開催した。リアルで式典を開催するのは新型コロナウイルスが感染拡大する前の2019年以来2年ぶりとなる。式典には塑性加工分野・レーザプロセッシング分野の助成対象者64名と関係者を中心に約120名が参加した。
天田財団の2021年度前期の助成件数は82件、助成金総額は2億3,231万円だった。このうち、「研究開発助成」は81件・2億3,131万円、「国際交流助成」に関してはコロナ禍により開催が中止、延期されることが多く、1件・100万円となった。これにより、1987年の財団設立から34年間の累計助成件数は2,001件となり、累計助成金額は34億3,993万円となった。
「研究者にとって真に有益な助成」を模索
式典の冒頭で天田財団・末岡愼弘代表理事理事長は「今年、ノーベル物理学賞を受賞された眞鍋淑郎博士は、受賞会見の中で国籍を変えた理由について、『潤沢な研究資金』と『自由で独創的な研究環境』が確保されることを挙げておられました。また、大学院の博士号取得者が年々減少傾向にあると言われています。第一線で活躍されている研究者の皆さまにおきましては、このような我が国の研究開発環境に対して、さまざまな課題や不安を抱えられているものと拝察します。とくに若手研究者の育成や研究資金の確保は喫緊の課題なのではないでしょうか」。
「当財団では微力ではありますが、これらの課題に対処すべく助成事業を通じて取り組んでいます。助成金の規模を確保し持続するとともに、研究者にとって真に有益な助成になるよう内容の充実にも努めてきました。公益法人の使命はより多くの人々の利益に資すること。日本が持続的に発展し、これからも世界で主導的な役割を果たすためには絶えず科学技術のイノベーションを起こす必要があります」。
「金属の加工に関する優れた研究や国際交流へ助成し、その成果を産業の現場で活用できるよう広く普及啓発することは天田財団の使命です。本日の助成を受ける皆さま方には当財団のこうした思いも受け取っていただき、ご研究に取り組んでいただきたい」と挨拶した。
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