板金論壇

コロナ禍を契機に、業種を超えて経営者の意識改革が進む

『Sheetmetal ましん&そふと』編集主幹 石川 紀夫

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異業種交流会での出会い

過日、異業種交流会で1時間ほど講演をさせていただく機会がありました。金属加工、医薬品製造、木工加工、保険代理店、デザイナー、自動車整備など、さまざまな業界の経営者を前に、どんな話をすれば良いのか迷いましたが、前半は景気動向と今後の景気見通しについて、後半は社員教育やモチベーションアップ、社員満足度について、お話ししました。

コロナ禍の影響は等しく受けておられるので、景気動向や景気見通しに関しては、お話をしていてもあまり手ごたえを感じませんでした。

ところが、社員教育やモチベーションアップ、社員満足度の話になると、聴講されている方々の目つきが変わり、あらかじめお配りしていた講演のレジュメを見ながら熱心にメモを取られている方も見かけるようになりました。人手不足はどこの業界でも喫緊の課題になっているだけに、経営者の方々の関心の高さをあらためて感じました。

経営者の意識が大きく変わる

講演終了後に参加者との交流会があり、個別に質疑を交えて話をさせていただきました。そこであらためて「社員満足度」に対する経営者の意識が大きく変わってきたことを感じました。

社員満足度とは、職場環境・人間関係・働きがい・福利厚生・給与などに対する働く人の満足度が高い状態のことで、社員満足度が高い企業ほど生産性が向上し、顧客満足度も高いと言われています。

「社員満足度の改善」というと、これまでは福利厚生面が重視され、社員食堂やトイレ、空調などを整備し、快適に過ごせる環境を整えることを考える経営者が多くおられました。しかし、お話をした経営者の中には「表面的な環境整備も大切だが、社員が仕事に情熱ややりがいを持って主体的に取り組める企業体質をつくることが重要」と考える方が多くおられました。

その中のお一人は、会社方針や経営者の考え方を社員に理解してもらわなければならないと考え、年度ごとの経営方針発表会はもとより、その前提である会社の財務状況をガラス張りにして、「うちの会社にはこれだけの売上と利益があるので絶対につぶれない。安心して仕事に取り組んでほしい」と社員に話しておられるということでした。

つづきは本誌2022年3月号でご購読下さい。

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