板金論壇

ESG経営に有効な「従業員エンゲージメント」に注目

『Sheetmetal ましん&そふと』編集主幹 石川 紀夫

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「従業員エンゲージメント」の向上が求められる

以前にも一度取り上げたことがありましたが、最近、お客さまをまわると「従業員満足度」を第一に掲げる企業が着実に増えてきています。

「従業員満足度」と関連して、組織にとってメンバーのパフォーマンスアップにつながる重要なキーワードとなるのが「従業員エンゲージメント」です。「従業員エンゲージメント」とは従業員が会社の理念や方向性に共感・共鳴し、みずからが積極的に貢献したいと思うことで、組織の成長・成熟に欠かせない要件のひとつです。

一昨年からのコロナ禍の中で、多くの企業でテレワークが推奨されました。「働き方改革」への対応とも相まって、企業への帰属意識や同僚との連帯感が希薄になる中で「従業員エンゲージメント」の向上がより重要となっています。

日本のエンゲージスコアは5.3%と世界最下位レベル

「従業員エンゲージメント」に関しては、米国の調査会社ギャラップ社が定期的に調査を行っています。直近では新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年に実施されました。

それによると、日本の従業員で、会社の仕事に情熱と熱意をもって働く人の割合は5.3%と際立って低いことが判明しました。2019年調査では5.4%だったので、わずかですが、より低下したことがわかります。

これに対して世界平均は2019年が22%、2020年が20%となっており、日本は最下位グループに入っています。欧米各国の平均はいずれも20%以上で、中には30%を超える国もあります。また、調査対象となった組織の中にはエンゲージメントの割合が70%と高いケースもありました。

日本では逆に、会社の仕事に情熱も熱意も感じていない従業員の割合は71%、さらにほかの社員の熱意や情熱をそぐような行動を取る従業員が23%もいる、という結果となっています。

従業員エンゲージメントが高い企業ほど、離職率が低く、顧客満足度が高く、収益性・生産性が高いとされており、日本企業にとっては深刻な状況といえるでしょう。

つづきは本誌2022年2月号でご購読下さい。

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