板金論壇

労働人口不足のドミノ倒し

急がれるロボット援用社会の実現

『Sheetmetal ましん&そふと』編集主幹 石川 紀夫

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外国人労働者の受け入れ拡大

政府は、人手不足が深刻な建設や農業、介護など5業種を対象に2019年4月に新たな在留資格を設ける。今臨時国会で入国管理法改正案を提出する。新たな在留資格は単純労働に門戸を開き、2025年までに50万人超の就業を目指す。

国内の労働力人口は2017年平均で6,720万人、2017年10月末時点の外国人労働者は約127万人で、約50人に1人は外国人が担っていることになる。なお、15~64歳の生産年齢人口は、2040年度には2018年度比で約1,500万人減ると見込まれている。

安倍晋三首相は「移民政策とは異なる」と説明し、「一定の専門性・技能を持つ即戦力の外国人材を幅広く受け入れていく仕組みを早急に構築する」と語っている。

新たな在留資格を得る方策のひとつは最長5年の技能実習制度の修了。5年が経過しても実習技術を生かし、そのまま国内で仕事が続けることが可能になる。

もうひとつは、新たに導入する試験に合格すること。日本語で日常会話ができる「N4」レベルを原則として、技能面の能力を確認することで在留延長を認める。

社会の分断や差別につながる可能性も

ここで懸念されるのが外国人労働者を大量に受け入れた場合、日本語をほとんど話せない彼らが孤立するケースだ。治安問題を含め、社会の分断につながるおそれがある。

法律改正の一方で、外国人労働者に対して、行政と受け入れる企業が連携し、日本語学習の機会を提供しなければならない。また、就労環境の改善、不当な賃金格差の禁止、社会保険加入の徹底なども必要になる。臨時国会ではこうした点が争点になるとみられており、外国人労働者の受け入れは慎重に審議しなければならない。

先進諸国では少子高齢化が進み、日本と同様に生産年齢人口が減少。欧州ではドイツやフランスなどで外国人労働者の増加は、移民問題とも関連して大きな社会問題となっている。

そしてポピュリズムが世界に蔓延するなか、格差社会によって疲弊する一般大衆の利益や権利、願望、不安や恐れを利用して、大衆の支持のもとに既存のエスタブリッシュメント(富裕層・支配階級)と対決しようとする保守派の台頭が目立っており、新たな分断や差別が広がろうとしている。

つづきは本誌2018年12月号でご購読下さい。

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