制度改革しなければならない課題が山積
加齢にともない、身体のあちこちに障害が出て病院通いが日常になってきました。最初に受診した診療科で精密検査を受けると身体のあちこちに異常が見つかり、受診する診療科も増えてしまいました。今のところ、処方される薬で対応できていますが、日常となった病院通いも大変です。
長く通院していると、顔見知りの患者さんとも会話するようになり、自身の病状を話しながらよもやま話をしています。また、体調変化にともなってリハビリを受けるようになりました。理学療法士や作業療法士の方々とも親しくなり、世間話から専門的な話までいろいろするようになりました。そして、病院経営のきびしさを教えていただいています。
私が通院する病院は、病床が150床の中規模病院ですが、医師から看護師などの医療従事者、病院職員などを加えると800人ほどのスタッフがいるということで驚きました。
外来で受診する患者さんの数は1日あたり400人程度で、そのうちの70%以上が65歳以上の高齢者だと思います。診療報酬が改定されたといっても患者さん1人あたりが窓口で支払う診療費は1割から3割負担ですので、平均の診療報酬はいくらかわかりませんが、私が支払う額から考えると、健保から受け取る報酬を含めても1日あたり外来で2,000万円前後です。それから計算すると、月額の診療報酬は3億~4億円程度にしかなりません。入院患者の入院報酬がどの程度かわかりませんが、月額2億円程度としても合計で5億~6億円、年間では60億~70億円です。800人のスタッフに支払う人件費を考えても収支はイーブンになればいいと思えるくらいの状況だと想定されます。
経営母体の医療法人は高齢者向けにケア付きマンションや訪問介護センターやリハビリ病院など事業を多角化することで全体収支を賄っています。スタッフの方も、最新の医療機器や検査機器から細々とした器具の購入も予算を貰うのが大変だと話されていました。
このように首都圏の病院でも経営がきびしい中で、全国の病院の60~70%が赤字経営に陥っている状況を考えると、これからの日本の医療のあり方を抜本的に見直していく必要があるのかもしれません。
ほかにも日本ではさまざまな制度改革の必要が迫られています。特に国の借金が1,340兆円となり、財政の悪化は避けられません。現在の円安も日本の財政状況、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を評価しての結果と言わざるをえません。
一方で、来年度予算の概算要求は143兆円と過去最大になっています。高市早苗首相は「赤字国債には頼らない」と話していますが、概算要求に占める国債の利払い費だけで16兆5,888億円になります。元本返済額も含めると国債費は36兆円超となり、過去最大で概算要求予算の4分の1となります。まさに自転車操業と言わざるを得ません。来年4月から2年間、飲食料品の消費税を1%に引き下げるのにともない、年5兆円の予算が必要と言われていますが、その財源確保についての具体的な見通しも十分ではありません。
医療費の問題については、自身の年間医療費は100万円あまりになります。厚生労働省の調査によると、65歳以上の高齢者の年間医療費は平均80万円と言われているので、私からはそれ以上の医療費が支払われているということです。こうした状況が長く続くとは思いません。国民の医療負担を含めて、早急に制度改革しなければならない課題が日本には山積しています。


