特集

ベンディングロボットによる曲げ加工の自動化・品質安定化

初のベンディングロボットが即戦力に ― ボトルネック解消と品質安定化に貢献

CAMの完成度を評価 ― 曲げ加工製品の40%程度をロボット化

有限会社 諸隈製作所

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画像:初のベンディングロボットが即戦力に ― ボトルネック解消と品質安定化に貢献2025年12月に導入した電動サーボ小物ベンディング自動化システムEGB-6013ARce。ボトルネック解消と異形状曲げの品質安定化に貢献

ベンディングロボットを初めて導入 ― ボトルネック解消と品質安定化に貢献

画像:初のベンディングロボットが即戦力に ― ボトルネック解消と品質安定化に貢献最も重要な経営テーマは「永続企業」と語る諸隈武社長

㈲諸隈製作所は2025年12月、電動サーボ小物ベンディング自動化システムEGB-6013ARceを導入した。50トン・1.2mの汎用ベンダーとの入れ替えで、同社初のベンディングロボットにもかかわらず、導入直後からスムーズに稼働を始め、すでに連日フル稼働となっている。

5年ほど前にもベンディングロボットの導入を検討したが、当時はグリッパーの制約で加工可能な板厚が2.3㎜以下に限られ、自社の加工ニーズに合わないと判断した。しかし近年はマシン・ソフトともに進化が著しく、板厚4.5㎜や6.0㎜の製品も安定してハンドリングできるようになり、CAMの性能も向上したため、導入に踏み切った。

同社は約30年前から溶接工程のロボット化を推進し、今ではTIG・CO2/MAG・MIG・レーザの4種類・計5台の溶接ロボットを運用している。従業員数15名の規模で、これだけ多彩な溶接ロボットを保有している企業は珍しい。長年の経験からロボット活用の意識が全社に浸透しており、EGB-ARceも驚異的なスピードで立ち上げを果たした。

導入後2カ月が経過した時点で、諸隈武社長は「すべての曲げ加工製品のうち40%程度をロボット化しました。EGB-ARceは、すでに作業者2~3人分の働きをしてくれています。曲げ工程のボトルネック解消が進み、後工程を含めた工場全体の残業時間を10%以上削減できました。また、難易度が高い異形状曲げなどの品質のバラツキを解消でき、品質の安定化に貢献してくれています」と語っている。

  • 画像:初のベンディングロボットが即戦力に ― ボトルネック解消と品質安定化に貢献同社がEGB-ARceで加工した最も大きな製品。W512×D364㎜の商用車部品(SPHC-P・板厚3.2㎜)
  • 画像:初のベンディングロボットが即戦力に ― ボトルネック解消と品質安定化に貢献商用車部品は安定した突き当てが困難な「ひねり曲げ」の製品が多く、ロボットで加工することによる品質安定化の効果が大きかった

商用車部品、建築資材・橋梁部品で50%超

諸隈社長は1992年に18歳で入社して以来、30年以上にわたって製造現場の第一線に立ち続け、技術・技能を磨いてきた。その一方でデジタル化・ロボット化を推進し、高度な対応力を備えた精密板金・溶接のプロフェッショナル集団へと進化を遂げてきた。

諸隈社長が「他社がやらないこと、できないことを進んで引き受けるのが当社の基本方針」と語るとおり、顧客から寄せられる困難な課題にも、長年の経験に裏づけられた柔軟な発想と高度な技術・技能、多彩な加工設備で対応する。数百個・数千個というロットサイズの製品は、自社内で専用治具を製作し、ロボットをフル活用する。とりわけ溶接技術には定評があり、溶接ロボット全種類を筆頭に、多様な材質・板厚・製品サイズに対応できる生産体制は、同社ならではの強みとなっている。

現在の売上構成は、商用車部品が約30%、建築資材・橋梁部品が20~30%で、ほかにも半導体製造装置部品、鉄道車両部品、産業用ロボット部品などを手がける。

加工する材料は、鉄系が約50%、ステンレスが約30%、アルミが約20%。鉄系材料のうち約半分は商用車向けの高張力鋼で、残り半分はSPCCやSPHCなどの一般鋼板。板厚は0.1~22㎜と幅広く、2.3~4.5㎜が中心。ロットサイズは単品から1,000個超まであり、平均ロットは100~200個。リピート率は60~70%となっている。

画像:初のベンディングロボットが即戦力に ― ボトルネック解消と品質安定化に貢献左:ブランク工程はパンチ・レーザ複合マシンLC-2012C1NT(写真)とCO2レーザマシン(2.7kW)を運用/右:2台のCO2/MAG溶接ロボット。約30年前から溶接工程のロボット化を推進してきた

会社情報

会社名
有限会社 諸隈製作所
代表取締役
諸隈 武
所在地
神奈川県相模原市緑区西橋本4-8-17
電話
042-772-5749
設立
1959年
従業員数
15名
主要事業
商用車部品、建築・橋梁部品、半導体製造装置部品などの金属プレス加工・板金溶接加工
URL
https://morokuma.co.jp/

つづきは本誌2026年4月号でご購読下さい。

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