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「ものづくりワールド東京2025」開催

独自ノウハウと差別化提案で新規開拓に挑む

単価の明示、溶接・塗装レス、ワンストップ対応などで存在感を発揮

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強みをPRし、新規得意先の開拓に挑む

「第37回ものづくりワールド 東京 2025」が7月9日から11日までの3日間、幕張メッセで開催された。主催はRX Japan。同展は「設計・製造ソリューション展」「機械要素技術展」「製造業DX展」「ものづくりODM/EMS展」など、10の専門展で構成されている。全体の出展者数は前回比±0%の1,975社・団体。会期中の来場者数は同20%減の5万5,749名だった。

東京ビッグサイトが大規模改修工事で一部休館となり、会場を幕張メッセに移したことで、来場者数が大幅に減少した。全体の出展者数は前回並みだったが、中国・韓国・台湾・タイなど海外からの出展者が大幅に増えた。

板金企業は「機械要素技術展」を中心に出展し、自社の強みをPRした。建設機械・農業機械・工作機械・半導体製造装置などのサプライヤーを中心に、出展者からは「業況は良くない」「2025年後半からの本格回復を期待していたが難しそう」といったコメントが多く聞かれた。その一方で、医療機器・配電盤・鉄道保守部品などを手がける一部の出展者からは「引き続き堅調」との声もあり、「廃業する企業からの生産移管の引合いが増えている」とのコメントもあった。

単価の明示、成長産業への技術訴求で存在感

フジムラ製作所(埼玉県)は、オリジナルの加工サンプル31点を図面・材料単価・ロット単価とともに展示した。ロット単価は、1個・5個・10個・50個のロットサイズ(注文数量)ごとの単価で、受託製造の分野でオープンにするのはきわめて珍しい。抜き・曲げのみであればさらにコストダウンが見込める「2D CAD自動見積りサービス」も紹介した。2024年にリリースした直後は担当者のチェックが必要だったが、検証期間を経て、完全自動化を果たした。併せて、航空宇宙・防衛産業向け品質マネジメントシステムJIS Q 9100の認証取得や、付加価値創出のため新たに導入した金属用インクジェットプリンタ、非金属(アクリル・プラスチック・ガラスなど)対応CO2レーザ加工機もパネルで紹介した。

ツツミ産業(神奈川県)は、精密試作板金の専門企業として、電気自動車や航空宇宙といった成長産業へ向けて加工技術を紹介し、技術者の注目を集めた。特殊材を含むさまざまな素材の難加工や、米粒サイズから畳サイズまでのロット1~500個に対応可能とPR。ファイバーレーザ溶接ロボットによる材質・板厚・出力・工法(フィラーの有無など)別の加工サンプル、電動化にともない需要が高まっているバスバー・熱交換器部品などの銅製品サンプル、航空宇宙分野などで使用される6-4チタンや純チタンで製作した高圧ボンベなど、注目分野の加工事例を展示した。

画像:独自ノウハウと差別化提案で新規開拓に挑む左:フジムラ製作所(埼玉県)は図面・材料単価・ロット単価とともにオリジナルの加工サンプル31点を展示。「2D CAD自動見積りサービス」も紹介した/右:ツツミ産業(神奈川県)はファイバーレーザ溶接ロボットの加工サンプル(写真)、バスバー・熱交換器などの銅製品サンプル、チタン製高圧ボンベなどを出展した

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