「第37回優秀板金製品技能フェア」
応募総数に占める海外比率は41.1% ― 板金技術、関連技術のグローバルでの底上げに貢献
次回から日本塑性加工学会会長賞の審査基準に「しぼりなど」を追加予定
AMADA FORUMで開催された「第37回優秀板金製品技能フェア」の表彰式の様子
グローバルなイベントとして注目が高まる
職業訓練法人アマダスクールは3月8日、AMADA FORUM(神奈川県伊勢原市)で「第37回優秀板金製品技能フェア」(以下、板金フェア)の表彰式を開催した。会場には来賓、受賞した企業・学校、全国各地のシートメタル工業会の会長企業など150名以上が集まった。
板金フェアは国内外の金属加工企業が製作した板金製品や作品を一堂に結集し、加工技術・技能を競う場を提供することで、優れた技術・技能を表彰するとともに一般展示を通して板金加工技術・技能の交流と向上をはかることを目的に、1989年から毎年開催されている。
今回の応募総数は263点で、過去3番目に多かった前回(281点)からは減少したものの、海外からの応募に関しては計19カ国・108点にのぼり、グローバルなイベントとして注目度が増してきている。また、国内外ともに初出品の割合は依然として高く、国内のみに限っても直近3回はすべて初出品企業の割合が20%以上にのぼっている。
若手人材の育成に役立ててほしい
主催者として冒頭の挨拶を述べる職業訓練法人アマダスクール・福井幸弘理事長
表彰式の主催者挨拶で、職業訓練法人アマダスクール・福井幸弘理事長は次のように語った。
「私も何回も足を運び、拝見していますが、実際の出展作品を見ると、『これはどうやってつくるのだろうか』『これは技能が高いな』『これはスクールでも加工できないのではないか』など、作品が語りかけてくる瞬間があります。みなさまにも展示会場へ行って実際に見て、作品が語る言葉を聞き取っていただければと思います」。
「これから少子高齢化により、労働人口が減っていく中、生産・加工する設備は高機能になり、自動化が進み、またAIなどの新しいツールも使って、進化し続けるものだと思います。ただ、こういった加工技術・技能―特に技能につきましては、技能伝承者に育っていってもらいたいところですが、さまざまな課題により難しい部分もあると思います。そんなときにこのフェアを活用していただき、板金加工のエキスパートを目指す若い方々の一つの目標や励みに、または加工技術の技能の向上にお役に立ていただければと考えています」。
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