経済産業省の令和9年度概算要求に見る、中小企業向け補助金の見通し
「10億宣言」要件化と省力化・省エネ関連補助金を読み解く
株式会社 ゼロプラス 東岡山事務センター
経済産業省の令和9年度概算要求 ― 総額7兆7,859億円の中身
2026年8月末、政府の令和9年度予算概算要求が出そろい、中小企業庁を含む経済産業省の概算要求額は7兆7,859億円でした。
概算要求とは、各省庁が翌年度の予算として必要と考える金額を政府に要求するものです。年末の予算編成等を経て内容が変わる可能性はありますが、令和8年度の経済産業省の概算要求額2兆444億円と比較すると、大幅に増大していることがわかります。
概算要求額が大きくふくらんだ要因のひとつが、新たに設けられた「『強く豊かな日本』投資枠」です。詳しくは後述しますが、従来の施策に加えて新たな投資枠が設けられたことで、概算要求の金額が大きくなっています。
では、今回の概算要求によって、中小企業向けの補助金はどう変化していくのでしょうか。本稿では、前号でご紹介した「10億宣言」とも関連する「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」をはじめ、板金業界と関係の深い「省力化・デジタル化・AI投資補助金(仮称)」や「省エネ関連補助金」について、令和8年度とのちがいにも触れながら解説していきます。
概算要求の読み方と、2つの大きな変化
まず、概算要求の位置づけを簡単にご説明します。概算要求は、政府が7月頃に閣議決定する「骨太の方針」などを踏まえて各省庁が作成し、8月末をめどに提出されます。その後、財務省による査定と閣議決定を受けたのち、国会での審議を経て予算が成立します。そのため、概算要求の段階では最終的な予算額は決まっておらず、今後の予算編成によって内容や金額が変更される可能性がある点には注意が必要です。
令和9年度概算要求を理解するためには、新しい投資枠である「『強く豊かな日本』投資枠」と、予算編成上のルール変更の2点を把握する必要があります。
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