次世代を取り込み、板金業界の未来を切り拓く
自社の“当たり前”を強みに変え、新卒採用につなげる
静岡県シートメタル工業会 会長 吉澤 貴之 氏 (東和 株式会社 代表取締役)
吉澤貴之氏
静岡県は2000~2025年の累計工場立地件数は全国1位、製造業の競争力を示す製造品出荷額も全国トップクラスを誇るなど製造業がさかんな地域だ。
そんな「ものづくり県」に拠点を置く静岡県シートメタル工業会は来年で40周年をむかえる。会員企業数は72社と、全国のシートメタル工業会の中でも比較的規模が大きいが、それに対して工業会の活動に参加する企業が限られるという課題も抱えている。
今年4月に6代目会長に就任した吉澤貴之氏は、より多くの会員が参加し、ともに成長できる工業会を目指している。そのために、次世代を担う青年部(ネクステージ)との連携や生成AIなど新たな技術への対応、板金加工業の社会的な認知度向上などにも取り組む考えだ。
そこで吉澤会長に、静岡県シートメタル工業会の今後の運営方針や板金業界への思いを聞くとともに、東和㈱の社長として取り組んでいる若手を中心とした人材採用や職場環境づくり、主力のチップマウンター関連事業を中心とした足もとの業況について話を聞いた。
多くの企業に参加してもらえる工業会を目指す
― 4月に開催された静岡県シートメタル工業会の総会で、新会長に就任されました。就任の経緯と会長としての抱負などがありましたらお教えください。
吉澤貴之会長(以下、姓のみ) 静岡県シートメタル工業会は来年で設立40周年をむかえます。このタイミングで6代目会長に就任することに驚きと戸惑いもありましたが、就任した以上は責任を持って取り組みたい。指名された理由は年齢的なことに加え、会計担当役員時に「より多くの会員に参加してもらえる会にしていかなければならない」と先輩役員に生意気なことを言ってしまったからかもしれません。
その考えは今も変わっていません。当工業会では経営セミナーや加工技術セミナー、人材育成研修、工場見学会、技能検定試験などを行っています。会員企業は72社と全国でも比較的規模が大きいですが、実際に行事に参加しているのは半分以下で1/3、1/4と少ない。どのような企画なら参加してもらえるか、役員で知恵を出し合っていますが、なかなか成果が出ませんでした。
参加者増加につながる具体的な企画は模索中ですが、まずは伝え方を変えていきたい。これまでは開催概要を伝えるだけでしたが、今後は例えば視察研修なら、なぜその場所を選んだのかなど、参加するメリットも併せて伝えていく。さいわい参加者の満足度は高いので、まずは興味を持ってもらうことから始めたい。工業会のイベントにより多くの会員の方に参加してもらい、会員企業とともに成長・発展していきたいと考えています。
静岡県浜松市にある東和㈱の本社工場
複合マシンLC-2512C1AJ(手前)とACIES-2512T-AJ(奥)が自動倉庫と連携し、夜間も自動運転を行う
ベンディングマシンが並ぶ曲げ工程
青年部と一体となり活動していくことも必要
― まだ先の話になりますが、今後の工業会運営を担う次期会長の選定も会長や役員の重要な仕事となってきます。
吉澤 会長として工業会の運営と並行して、次期会長の選任も見据えなければなりません。現在の副会長たちは私と同じ60代前半なので、2年後あるいは4年後の役員改選時には40~50代の意欲ある人を副会長にむかえ、将来は会長を担ってもらいたい。
当工業会には青年部「ネクステージ」がありますが、その活動は工業会から独立して行われています。ただ、青年部にも工業会の行事に積極的に参加してくれる人たちは多い。4~6年後をめどに工業会の運営を次世代へ継承することを考えると、今後は青年部と工業会の垣根を低くし、一体となって活動することも必要だと思っています。
現在、当工業会で中心となって活動している経営者は60~70代で、その後継者の多くは40代後半から50代前半です。すでにその多くが青年部に参加しています。一方、工業会への参加が少ない企業では社長が50代、後継者が20代後半から30代前半というケースもあります。こうした企業にも積極的に参加してもらえれば、若手が増え、活性化につながると期待しています。
会社情報
- 会社名
- 東和 株式会社
- 代表取締役
- 吉澤 貴之
- 所在地
- 静岡県浜松市中央区大久保町748-67(浜松技術工業団地内)
- 電話
- 053-485-4321
- 設立
- 1972年(1970年創業)
- 従業員数
- 54名(パート・派遣社員を含む)
- 主要事業
- ロボット・OA機器・電子機器・医療機器・工作機械・制御盤などの精密板金部品の製造、二輪・四輪の板金試作部品の製作・プレス加工、アルミ・ステンレスの特殊溶接加工、レーザ切断とレーザ溶接
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