自動化投資と「Q,C,D+PT」を強みに生産性を大幅改善
総勢20名強でブランク自動化セル4台、曲げ自動化セル2台などを活用
大泉工業 株式会社
2025年に導入したファイバーレーザ複合マシンACIES-2512T-AJe(2棚・TK仕様)。「板金加工機械のひとつの完成形。ACIES導入は長年の夢で、遠回りしながらもようやく辿り着くことができた」(橋本秀木社長)という
自動化投資と「Q,C,D+PT」を強みに成長
左から橋本秀木社長、製造部の吉田直樹部長、品質管理部の齋藤泰男課長、プログラム担当の小林靖広さん
群馬県大泉町の大泉工業㈱が、自動化投資と「Q,C,D+PT(製造技術)」を強みに成長を続けている。正社員16名と少人数ながら、複合マシン2台を含むブランク自動化セル4台、ベンディング自動化セル2台・ATCベンダー1台を含むベンディングマシン計8台を設備。リーマンショックを境に量産から多品種少量生産への転換をはかり、設備投資に力を入れながら、経営のスリム化を進めてきた。直近15年間で構成メンバーは自然減などにより2/3に減少した一方、売上高は1.6倍に増え、一人あたり売上高は2倍以上になった。
2011年に3代目経営者に就任した橋本秀木社長は、これまでの道のりを振り返って、次のように語っている。
「社長に就任して15年になりますが、とにかくお客さま、同業者、従業員、設備、仕事に恵まれたと感じます。新しい設備を導入すると何かしらお声がけをいただけましたし、従業員のみんなも若かった私を支え続けてくれました」。
「ブランク・曲げの設備能力で言えば、今の2倍くらいの仕事量でも処理できると思います。今は工作機械と電機の2本柱ですが、今後は加工設備・生産能力・製造技術を強みに新規の顧客・案件を開拓しながら第3の柱、第4の柱を育てていきたい。そのうえでできるだけ人数を増やさずに生産量を拡大し、成長につなげていきたい」(橋本社長)。
左:別棟に設置されたファイバーレーザ複合マシンLC-2515C1AJ(サイクルローダー・TK仕様)とパンチングマシンEM-3510ZRT(2棚・TK仕様)/右:ベンディングロボットシステムHG-1003ARs。ロットサイズが大きい冷凍ショーケース部品などに活用している
経営環境の変化に合わせて事業形態を適応 ― 同社初の複合マシン導入が転機
同社は創業以来70年にわたり、経営環境の変化に合わせて事業形態を適応させてきた。
1957年に橋本社長の祖父が農耕機械の販売・修理を手がける企業としてスタートし、1960年には大手電機メーカーのプレス部品サプライヤーとして大泉工業㈱を設立。冷凍ショーケースや自動販売機向けに金属プレス加工を手がけるようになった。
1979年には、物件対応の小ロット案件やサイズが大きい部品への対応力強化のため、パンチングマシンの1号機を導入。それ以降はプレス加工と板金加工の両輪で事業を展開し、工場増築、設備増強、オフコン導入による電算化などを進めながら、事業を拡大していった。ピーク時には従業員数が120名を超え、パンチングマシン10台を10名以上の作業者が稼働させていたという。
バブル崩壊後には、市場の縮小や多品種少量生産へのシフトが鮮明になった。顧客は新興市場向け冷凍ショーケースを中国生産へとシフトし、自動販売機もコンビニエンスストアの普及などで生産量が減少していった。
低迷期を打開するきっかけとなったのが、リーマンショック直後の2009年に導入したパンチ・レーザ複合マシンEML-3510NT(サイクルローダー・TK仕様)だった。EMLは、同社が多品種少量生産向けの自動化へと大きく舵を切る象徴的な設備として大きな役割を果たした。
冷凍ショーケース部品に用いる専用システム。回転テーブルによりワークセット、タッピング、溶接を順次実施する
プレスで加工していた冷凍ショーケース部品(写真)。EM-ZRTとHG-ARsによる板金加工への工法転換を提案し、採用された
会社情報
- 会社名
- 大泉工業 株式会社
- 代表取締役
- 橋本 秀木
- 所在地
- 群馬県邑楽郡大泉町吉田1221-7
- 電話
- 0276-63-1121
- 設立
- 1960年
- 従業員数
- 23名(うち正社員16名)
- 主要事業
- 工作機械および周辺装置部品、冷凍ショーケース部品、医療機器部品などの精密板金加工・プレス加工・溶接組立
つづきは本誌2026年3月号でご購読下さい。
- 当サイトで購入
- Amazonで購入
- Fujisanで購入


