特集2

金属加工の未来を共創するAGIC

顧客との“共創”を目指して開設した「Amada Global Innovation Center」

「現在」の最新技術を体感し、「未来」の加工技術に挑戦する

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画像:顧客との“共創”を目指して開設した「Amada Global Innovation Center」「Amada Global Innovation Center」(AGIC)の外観

「お客さまとともに金属加工の未来(あす)を共創する」

㈱アマダは2月3日、神奈川県伊勢原市の本社内に「Amada Global Innovation Center」(AGIC)をオープンした。

AGICは「お客さまとともに金属加工の未来(あす)を共創する空間」というコンセプトのもと開設された。「お客さまのモノづくりを検証し、『未来(あす)』の加工技術に挑戦」する「Innovation LABO」、「お客さまが期待する価値を『現在(いま)』の最新技術で体感」できる「Innovation SITE」、「V-factoryでつながる進化した稼働保障」を訴求する「Engineering FIELD」、「優秀板金製品技能フェア」の展示エリアなど、多彩なコンテンツと機能を備えている。

加工検証により顧客との“共創”を目指す「Innovation LABO」

「Innovation LABO」では、コスト・品質・精度といった課題だけでなく、新素材や工法改革、設計変更といったものづくり課題に対し、顧客とアマダの技術スタッフがともに加工検証を行える。

「Innovation LABO」には、「切る」「曲げる」「付ける」といったカテゴリーごとに最新の加工マシンとプログラミング装置などが常設された「LABOルーム」が9室、設置されている。「LABOルーム」は、それぞれ独立したプライベート空間となっており、出入り口はIDシステムで管理され、セキュリティーが確保されている。通路側のトビラをたたむことで大開口をつくり、加工マシンの入れ替えや大物材料の搬出入も可能だ。

「LABOルーム」は最新の加工マシンだけでなく、板金エンジニアリングシステム「VPSS 4ie」や製造DXソリューション「LIVLOTS(リブロッツ)」などの最新ソフトウエアソリューションも常設。加工検証のためのプログラミングのほか、工場レイアウト、工場オペレーションのシミュレーションも実施できる。

工業試験場クラスの測定室を備え、加工検証からデータ解析・分析まで完結

「Innovation LABO」は先端検査機器を常備する測定室1室を備え、加工製品の品質・精度・強度などをその場で確認できる。これにより「LABOルーム」での加工検証から、測定室での工業試験場クラスのデータ解析・分析まで、1カ所で完結できることになる。

測定室は、安定した測定結果を得るため常時20℃に温度管理されている。また、国内最大級の2×3mの大型石定盤を設置。石定盤は鉄製の定盤に比べ耐摩耗性に優れており、サビや温度による変形も少なく、精密な測定には欠かせない。

小物・微細製品の寸法測定が可能な画像寸法測定機、デジタルマイクロスコープ、3次元スキャナー、表面粗さ計といった測定機器を備え、品質や精度の測定だけでなく、図面データと加工製品を比較し、誤差を可視化できる。

溶接品質の検査を目的としたX線透視装置や引張試験機も設置。X線透視装置は溶接部の内部欠陥を破壊することなく観察でき、引張試験機を行うことで溶接強度の裏付けが可能となる。

これらの先端検査機器により取得した数値データを活用することで、効率的かつ論理的に加工検証を進めることができる。測定結果は持ち帰り、顧客への工法提案の際にエビデンスとしても使用できる。

画像:顧客との“共創”を目指して開設した「Amada Global Innovation Center」左:「Innovation LABO」。「LABOルーム」9室には最新の加工マシンとプログラミング装置などが常設され、アマダの技術スタッフとともに加工検証を行える/右:「Innovation LABO」の測定室。先端検査機器を常備し、工業試験場クラスのデータ解析・分析が行える

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