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「天田財団助成式典」

日本発の技術開発とイノベーション喚起に期待

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助成件数は90件、助成総額は2億6,631万円

公益財団法人天田財団は2022年12月3日、日比谷図書文化館日比谷コンベンションホールで「2022年度天田財団助成式典」を開催した。塑性加工分野・レーザプロセッシング分野の助成対象者を含む研究者、学会関係者など約130名が参加した。

2022年前期に採択された助成件数は90件、助成総額は2億6,631万円だった。1987年の財団創立以来35年間の累計助成件数は2,090件、累計助成総額は37億696万円となった。助成先は大学137校、高等専門学校43校、研究機関34機関、学会17学会と多岐にわたっている。

科学技術の進歩・発展が人々の暮らしを豊かにする

式典のはじめ、天田財団・末岡愼弘代表理事理事長は次のように挨拶を述べた。

「新型コロナウイルス感染症の世界的なパンデミックにより、世界経済は大きな影響を受けました。また、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻により石油・天然ガスをはじめとした資源価格、小麦などの食糧価格が高騰し、世界経済の先行きは不透明感が強くなっています」。

「その一方、日本では自然科学分野の論文数が欧米や中国などと比較して減少し、博士号取得者の数も減少するなど、研究開発分野でさまざまな課題が生まれています。当財団は、科学技術の進歩・発展こそが世界の人々の暮らしを豊かにするという信念で、財団設立から35年間で累計2,090件の研究テーマに累計37億696万円を助成してきました。当財団の助成事業が科学技術のイノベーションに貢献し、若手研究者の育成や研究成果の社会実装に少しでも役立つことを願ってやみません」。

「研究者のみなさまにはぜひ、当財団の想いをくみ取っていただき、科学技術の進歩・発展のため、研究にまい進していただくことを願っています」。

  • 画像:日本発の技術開発とイノベーション喚起に期待開会の挨拶をする天田財団・末岡愼弘代表理事理事長
  • 画像:日本発の技術開発とイノベーション喚起に期待来賓の挨拶をする㈱アマダ・磯部任社長

産官学連携を積極的に進めていく必要

来賓代表として、㈱アマダ・磯部任社長が祝辞を述べた。

「新型コロナウイルスの感染拡大、ウクライナ侵攻など地政学的な要因による物価高騰、半導体をはじめとした部品調達の滞り、2050年の実現を目標とするカーボンニュートラル、SDGsへの対応など、製造業を取り巻く課題は山積しています」。

「当社もグループの総力を挙げて対応・対策に取り組んでいます。さいわい、生産年齢人口の減少に対応した産業界の自動化投資には力強いものがあります。2022年11月に発表した当社の今年度上期の売上・営業利益はともに過去最高を更新するレベルにあります。しかしながら、さまざまな課題の解決に向けたさまざまな研究開発を、企業が単独で行うのは限界があります」。

「欧米などを見ていると産官学の連携が非常に密に行われており、日本においても産官学連携を積極的に進めていく必要があります。研究者のみなさまには日本発の技術や理論を開発していただき、企業のイノベーション喚起にもご尽力いただければさいわいです」。

「天田財団の助成事業の原資は当社の株式配当であり、当社の業績が大きく貢献していることを考えると、大きな励みとなります。アマダグループは創業者の理念でもある『人々の豊かな未来に貢献する』ことを目指して、これからも努力してまいります」。

つづきは本誌2023年3月号でご購読下さい。

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