“目的”を明確にすることが補助金採択への近道
『Sheetmetal ましん&そふと』編集主幹 石川 紀夫
「ものづくり補助金」1,000億円と「IT導入補助金」500億円
昨年12月14日の自由民主党・公明党の「平成30年度税制改正大綱」(大綱)の公表に続き、「平成29年度補正予算案」(一般会計予算の補正額2兆8,964億円)、ならびに過去最大となった「平成30年度当初予算案」(一般会計総額97兆7,128億円)が閣議決定された。
平成30年1月22日に召集される通常国会に、大綱を基にした税制改正法案と補正予算案ならびに平成30年度当初予算案が提出される見通し。衆参両院ともに与党が過半数を占めているため、税制改正法案・補正予算案・当初予算案は、ほぼそのまま今年度内に成立すると思われる。
平成29年度補正予算案は、先行して2月初旬の成立が見込まれる。補正予算案に組み込まれた「ものづくり補助金」は1,000億円、「IT導入補助金」は500億円の予算規模となっており、補正予算が衆参両院で可決・成立後にはすみやかに公募が行われると思われ、3月末には公募の申し込みが締め切られ、6月上旬には採択結果が公表される見通しだ。申し込み期間が約1カ月間と短いため、補助金を使った設備投資を計画している企業は、早め早めの対応が必要になる。
アンケートでは「ものづくり補助金」がトップ
生産財メーカー各社はすでに販売一線のセールス担当者にこうした情報を伝えている。受注・売上とも今年度中の実績には貢献できないものの、来年度の販売計画には織り込み済みで、営業活動に入っている。
ただ、今年度募集の「ものづくり補助金」「IT導入補助金」の詳細がまだ発表されていないので、具体的に動けないのが実情のようだ。また、各メーカーとも一部の機械要素部品の入手難が続いており、機種によっては納期が12~18カ月、後ろへと伸びている状況があるため、ユーザーが納期の後ろ倒しにどのような反応を示すか、注目している。
小誌1月号の「新春アンケート調査」では、「直近3年間で実施された中小企業の設備投資に係る支援制度で、活用したもの(活用する予定のもの)」の中で、補助金としては「ものづくり補助金」が26.4%で最多となった。
それだけに、平成29年度補正予算で実施される「ものづくり補助金」「IT導入補助金」に期待する経営者は多い。
ただ、今回は前回の平成28年度補正に見られたような、IoT対応をからめると補助金枠が3,000万円まで増額されるといった措置はなく、1,000万円口が1万件採択されるかたちになりそうで、IoT関連では「IT導入補助金」への期待が膨らむ。
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