「Driver & Dictionary――夢の実現のために“働く手”と“考える手”を持ちましょう」
青山学院大学 理工学部 経営システム工学科 教授 松本 俊之 氏

松本 俊之(まつもと・としゆき)
博士(工学)。慶應義塾大学理工学部管理工学科卒。同大学の金沢孝教授に師事し、管理工学を学ぶ。青山学院大学理工学部の教授に就任。専門分野はIE。「見る、視る、観る、やって試る」を基本姿勢とするIEの研究と教育・実践を通して、日本流のIEの確立を目指している。
(株)オーエイ(24ページ)の改善活動をアドバイスする青山学院大学の松本俊之教授。経営工学の中でもIE(Industrial Engineering)を専門とする松本教授は「カイゼン」と「教育」をテーマに、大手メーカーや中小製造企業との産学連携を通じて、生産企業のモノづくりプロセスにおける改善、環境教育と環境経営、経営工学の教育システムなどの研究を行っている。トップダウン型の“カイゼン”とは一線を画した“燃える”ボトムアップ型の“カイゼン”を提唱する松本教授に、最近の研究テーマと日本の製造業の特質などについて話を聞いた。
――松本教授の研究について教えてください。
松本俊之教授(以下、姓のみ) 現在の日本があるのは、企業がモノづくりを大切にしてきたからです。しかし近年は、企業の海外進出・労働力の流動化などにより、モノづくり力の低下が危惧されています。これからの日本は、メガコンペティションを勝ち抜くために、生産現場の“改善力”を開発・販売へと拡大すること、マネジメント全体での生産性向上へと拡げていく必要があると考えています。こうした変化に対応できるように、当研究室では製造企業のモノづくりを基本にして、企業での改善、環境教育と環境経営、経営工学の教育システムなどについて研究を行っています。いくつかの大手メーカーや中小製造企業とは、産学連携で様々な改善活動や共同研究も実施しています。...